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早春の香仙原〜弥十郎山(読図山行)
山行日  平成21年4月3日 
メンバー 斉藤宗 斉藤滋 F・Kk(やまびこ)H(コンパス)Ks・T(一般) 計7名 
 Hさんから 読図山行のお誘いが来た。
 安蔵寺山の滑峠登山口から香仙原までは一般ルートを登り そこから読図しながら尾根通しに弥十郎山に向かい適当な尾根を下って周回するという計画だ。
 むろんMは 即参加の返事。久々の藪こぎに張り切っているようだ。
笹尾根を行く
 宇部地区4名と周南地区3名が8時に六日市インターで合流。途中の中国道の法面下に 雪が残っていたのには不安を感じる。
 このメンバーの山行は 久しぶりなので(と言っても1カ月も空いていないのだが・・・)まずはしばらくぶりの挨拶。軽く打ち合わせを済ませ 七瀬の集落に向かう。
 ここから延びる林道との分岐に下山時のM車を置くことにする。
 M車のメンバーがF車に乗り移ろうとしていると 近くで作業をしておられた地元の方から「山登りかね?」と声がかかる。 林道は舗装してあり もっと上まで車で上がれるからと教えてくださる。
 林道に入っても下山予定地点までわずかな距離なので ここでいいがなぁと思いつつも  分かりにくい所があるので案内するからと言われる温かいお気持ちをむげにすることができない。 言われるままに林道に入り 近くの道幅が広くなっている所にM車を置く。
 「わざわざ林道に入ることないんだけど せっかくの気持ちを考えるとね・・・」と優しいFさんがつぶやく。
 2月の才乙の天狗石山でもそうだったが 改めて田舎の方々の温かい親切に心が和む。
 F車に7人が乗り滑峠に向かう。予期せぬ雪による道路の凍結を心配したが 道路は乾いていてほっとする。
 まさか 4月に入って雪が降ってるなんて思ってもいなかった。
 滑峠(ぬめっとう)に9時過ぎ到着。
滑峠登山口
 滑峠登山口から山道に入るといきなりの急坂 落ち葉の上の積雪に苦戦する。
 中途半端な積雪は歩き辛く 古い軽登山靴で来てしまったのは 毎度のことながら事前の情報収集が甘かったようだ。
思わぬ雪の登山道
 それでも 一般のコースなので1時間20分で香仙原着。
 天気は好いし早めに着いたので 気分も楽になりゆっくりと休憩。
 それにしてもこのところの 春の陽気からして足元の一面真っ白の光景が ピンとこない。
香仙原にて
 さて いよいよ本日の目的 読図山行の本番の始まりである。
 メンバー全員が初めてのコースでわくわくする。
 ほんの少し引き返し 現在地を確認し、進むべき尾根にコンパスをセットし下山路に進む。
 だだっ広く顕著な尾根形状ではないが  全員で間違いない事を確認 いざ突入!
 Mを先頭に 藪を避け植林帯の中をどんどん進む。
 Mは「弥十郎山までは 踏み跡が在るのでは・・・」と言っていたが 雪の下では足元にそれらしき踏み跡は見当たらない。
 だが所々赤テープが現れ 藪こぎマニアが歩いているのは予想通りだ。
藪は雪の下
 全員で読図しながら 要所要所では確認し合い進む。
 春の陽気に誘われ いち早く芽生えるトゲのある木苺系の枝や 笹に 苦戦しながらも 思ったより藪は薄くほっとする。
 冬の積雪で背丈以上の笹が まだ倒れた状態の所があり助かる。
 立派なワラビが出そうな所も数か所あるが、その時期ここはパス。 倒れた笹上の歩行も結構疲れてしまう。
  ワラビはまだ早い
 P927を過ぎ順調に進む。
 前方には弥十郎山らしきピークも見えている。
 ゆるやかだった尾根の傾斜が少し増しどんどん下ろうとすると 前のMが「ちょっと待って! 違うみたい。右に修正して。」 と斜面をトラバースし始める。
 後続のFさん Hさん達も同感でトラバースしつつ右の尾根に乗り換える。
 あのまま下っても 斜度が増し間違いには気づくだろうが 登り返しはしんどい。よかった よかった。 コンパスをセットして 大まかな進行方向に向かいつつも その場その場の地形の変化を見落とすことなく確認することが 大事とあらためて思う。
 難しい。読図山行力はまだまだだ。  P809に到着。
 もう昼だ。弥十郎山まではもう少し。 お腹は空いているが Fさんの「ここまで来たら 弥十郎まで行って ゆっくり休みたいね。」の言葉にみな賛同。
 Ksさんからのカンロ飴を みんなで舐めながらもう一頑張りと出発。
弥十郎まで もう一頑張り
 目の前に お弁当がちらついて元気が出てきたのか いつの間にか先頭に。
 たいした藪も 悩む箇所も無く約30分でついに弥十郎の頂に立つ。
 まばらな木々に囲まれ展望はあまり良くない。 それでも 香仙原の向こうに白く雪を被った安蔵寺山がのぞいているのを見つける。
 めったに人が訪れないであろう 静かな山頂だ。
 いつ誰が付けたか 朽ちかけた木札と三角点が迎えてくれる。 記念の写真を撮り 待ちに待ったお弁当タイム。
弥十郎より安蔵寺山
 目的の大半を歩き 後は下るだけ・・・と思って気も緩みかけていたが そうもいかないのか・・・? 私的には 弥十郎山まで行き着けば 歩きやすい尾根を伝って林道へ下る・・・筈なのだが 読図大好き人間の集まり そうは問屋が卸してくれない。
 選りもよって 時間があるからと ややこしい長めのコースを下ることになる。
 最短で林道に下れるコースの3倍は歩くことになりそうだ。おまけに尾根の分岐も多く かなり難しそうである。
 「これは なかなか大変」「一筋縄では いきそうにないね。」等と口では言いながらみんな なんだか嬉しそうに見える。
 弥十郎山まで 所々ついていたテープが 下りになってもまだ現れるのに驚く。
 私達と同じことを考えた人がいるということか。
 しかし マニアの下山コースに入ると このテープもプッツリと消え以後一切現れなくなる。
 「やっと消えたね。」と誰かがポツリ。
 これから林道の目標下山地点までが 本日のハイライトになりそうである。
 こまめに現在地を確認し 進行方向に合ってるかどうか 見極めないと あらぬ方向に行ってしまうかもしれない。
まだまだ続く笹藪
 そんな折 地図上では尾根が3方向に分岐している地点と思われる所に立つ。
 進行方向は真ん中の尾根なのだが 左に尾根 右に尾根 どう見ても二つの尾根しか目に入らない。 目の前はかなり急な斜面の下りだ。
 尾根ではないが 此処しかないとFさんとHさんが慎重に下って行く。 苦労して下って もし間違っていたら登り返しは大変だろう。
 Fさん達の後にみんなも下り始め どうぞ登り返しなんて ありませんようにと祈りながら 私も一歩一歩斜面を下り後を追う。
 急だった傾斜がだんだんと緩くなり やれやれと一息つくと いつの間にか尾根の上にいることに気づく。 つまり 目指す尾根は斜面の途中から派生していたのだ。いつもながら Fさん達の読図力は素晴らしい。
 その後は尾根の分岐があると 右? 左?と確認しながら順調に下って行く。
 やがて眼下に林道が見えるようになり下山の 終了点が近いことを知る。
 FさんとHさんが尾根から林道へ下り始める。 地図で確認すると この辺りから尾根と林道は離れていく。
 先行者に「こっち こっち」と誘導され 急な笹薮をかき分けアスファルトの林道に下り立つ。
 M車まで約150メートルの地点である。
林道に下り立つ
 M車で滑峠に向かい 待っていてくれたF車と合流。 宇部地区と周南地区メンバーに別れ解散する。
香仙原〜弥十郎トラック図
 思いがけない雪景色 それでもぽかぽかと暖かい 本当に快適な読図山行となった。
 全員が初めてのコースを みんなで考え協力して 予定通り歩くことができた。
 メンバー全員 今夜は きっとビールが 美味しいことだろう!
(文・斉藤滋   写真 トラック図・斉藤宗)
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