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雪山 山行(大山)
1月9日
 23:00  セミナーパーク駐車場集合
 23:15  出発
 雪山山行ベテラン3名(村上さん、池本さん、鹿野さん)と初心者2名(春藤さん、杉原)は、寒気団がやって来ると言う天気予報を聞き、充実した雪山山行が期待出来ることに胸を弾ませて出発する。
 6:00に大山寺駐車場へ到着する。駐車場にはすでにちらほら車が停まっていたが、当日の登山客は2〜3組位か?他の車はスキーの宿泊客なのか、夜の間に降り積もった雪にすっかり覆われていた。
1月10日
 06:00  大山寺駐車場到着 朝食を取りしばしの休憩
 08:00  大山寺駐車場出発
 09:30  3合目半小休止 積雪1m
 10:15  6合目小休止 視界良好 気温-2.4℃
 10:30  6合目出発
 11:30  天候悪化(明るさは残る)
 13:00  9合目半小休止 天候が回復 視界良好
 13:30  山頂小屋到着 大休止 気温-5℃
 山頂到着
 13:50  山頂小屋出発
 14:30  6合目小屋
 15:20  大山寺駐車場到着
 16:00  下山野営場にて テント設営
 17:00  夕食
 18:30  就寝
 到着後、朝食を取ったのが災いして、無性に眠くなる。 しかし、これから始まる初めての雪山の前にそんな気持ちもどこかへ飛んでいってしまった。
 8:00に駐車場を出発する。夏道登山口まで車道を進み、左手に突如現れる登山口を見ると、残念ながら踏み跡がついていた。初めての雪上歩行にわくわくしてベテランに遅れまいとして歩くが、雪に足を取られ苦戦する。息を切らしながら30分進むと、休憩する夫婦に出会った。ここまで1時間掛けて二人でラッセルしてきたそうだ。
  『ここで休憩か?』と期待したが、そのまま池本さんのラッセルで新雪を進む事になった。池本さん、鹿野さん、春藤さん、杉原、村上さんの順番でラッセルをするのだが、ベテランと初心者では明らかに進み方が違っていた。
 巷にある山行記録に、ラッセルは大変と書いてあり、読むたびに『大げさだなぁ』と簡単に思っていたのだが、大間違いでやっぱり大変、人の話はまじめに聞くものである。特に私は気が焦るばかりでなかなか前に進まず、足に余計な力が入るのか、踏ん張った足元が崩れ、雪の中に落ちるような感覚で、立つこともおぼつかない状態であった。 周りから見れば変な踊りを踊っているように見えたかもしれない。
 私はすっかりバテバテで、これから先の事を考え、憂鬱になった。それでも、何とか進むこと1時間、ようやく小休止である。息を整え、水分を補給するだけで手一杯であった。熱かった体も、5分程度の休憩ですっかり冷え冷えである。
 また登り始めること45分、6合目小屋が見えてきた。ここでも小休止するが、先程お会いした夫婦以外にも1組6合目小屋に到着した。
 我々が小休止している間に出発されたが、10数名でのパーティーで、聞くところによると大山で活動されている救助隊らしい。これは頼もしい限りである。
 5分遅れで出発するが、すぐに先発隊に追い付いてしまった。雪山と夏山では本当に違うものである。先行している隊が予想以上にラッセルに苦戦しており、我々が僭越ながら先頭に出る。
 その先頭が私である。初心者なのである。進む訳が無いのである。赤面なのである。後ろも振り向けず、懸命にラッセルをした。しばらく行くが恥ずかしさが限界になり、体力も限界になった事なので、交代してもらった。
 交代と共に進むスピードもあがり、順調に登り始めた。しばらく進み樹木が途絶える頃、天候が悪くなってきた。そう気が付いた時には、後ろからついて来られていた夫婦が引き返すので『ここでお別れです、ラッセルありがとう』と告げて下って行かれた。もう一組は既に姿が無かった。夢中で登っていたからだろうか?十数人が去っていく気配すら感じて居なかった。これが同パーティーの中で起こったら?雪山は簡単では無いと悟らされた瞬間である。
 稜線が近づくにつれ、風が強くなって来た。視界も悪くなりつつあり、明るいと言えども目印の赤いポールが見当たらない状況である。
 雪疵も形成されているとの事、ルートを外れる訳には行かない。初心者なのにすごい体験をしていると思いながら、後について行く。 離れる訳には絶対にいかないのである。
 9合目を過ぎ、映画で見る北極圏のワンシーン様な雪原を進むと急に天気が回復し、稜線がはっきり見え、大山の頂上やそれに連なる縦走路が一望できた。景色がとてもきれいで感動的であると共に、頂上までの道のりがとても遠く感じた。しかし、実際に歩くとすぐで、頂上に13:30到着した。
 ここで大休止を取る。昼食を済まし、記念撮影を行い、身支度を整え出発する。
 頂上小屋前からは下界を見渡すことが出来、すばらしい景色に出会えた。下りは転んでも全然痛くなく、登りと違ってスピードが出る。
 しりもちをつけば、雪にまみれながらすべり落ちる。苦労して登ってきた道をどんどん下っていく。
 5時間半掛けて、初心者的には命からがら登った山を1時間半で下りる事が出来た。夏山以上にあっけなく下ってしまった。
 駐車場に戻り、道具を片付けたら野営の準備に取り掛かる。駐車場で野営する予定であったが、駐車場では禁止との事。少し離れた下山野営場に移動し、テントを設営する。
 既に2組がテントを設営しており遅ればせながら準備を整える。
 設営後、ようやく夕食にありつく事が出来たみんな腹ペコで目の色が変わっていた。
 夕食は加藤流すき焼きである。すきっ腹にビールもおいしかったが、すき焼きが格別であった。差し入れの焼酎も格別の味であった。(会長ありがとう。おいしく頂きました。)
 しあわせの絶頂を向かえ、いつの間にか眠りこけていた。
1月11日
 05:00  起床
 08:00  大山寺駐車場出発
 08:30  大山寺山門にてワカン装着
 10:30  元谷小屋到着 吹雪
 ビーコン操作訓練
 11:00  元谷小屋出発 吹雪 視界不良
 12:00  大山寺駐車場
 テント撤収
 13:30  大山寺駐車場出発
 20:40  セミナーパーク帰着
 20:50  解散
 
 5時に起床するが、夕べのすき焼きの残りを使ったラーメンを作り、平らげ、お茶を作り、出発の準備を終えた時には、8時となっていた。計画では5時半に出発となっていたが、2時間半の遅れとなった。
 昨日の山行が充実していたので、まあ仕方が無い。のんびり行こうとの意見で一致していた。
 大山寺の街中を歩き、大山寺山門でワカンを履いた。
 昨日は壺足、今日はワカン、違いは十分に感じることが出来たが、やはり初心者であることは否めない。昨日に比べてましにはなったかも知れないが、進み方にスピードは無かった。
 元谷小屋の手前に堰堤があるが、そこが木も無く吹きっさらしとなっており、それまでの天候とは違い吹雪となっていた。よろめきながらも、元谷小屋に到着したのは10:30で出発から2時間半が経過していた。
 元谷小屋で小休止し、ついでにビーコンの説明を受けた。通常は室内で操作しないそうだが、外は吹雪になっており、時間も予定より遅れているため、室内で簡単に済ませた。
 11:00に元谷小屋を出発し、駐車場を目指すが、吹雪は先程より強くなっており、当然先程の踏み跡は消え失せていた。堰堤を越えるのは危険との判断で先程とは違うルートで戻る事になった。
 歩く為に片足を上げれば、風に流されてよろめく位の風速があり、雪も混じっていた為、身の危険を感じる事となった。
 今回の山行の中で、一番の歩行が出来たのではないだろうか?火事場のくそ力とは良く言ったもので、先を行くベテランに遅れる事無く吹雪の中を進むことが出来た。
 吹雪の中を別ルートで戻った訳だが、私的には違うところへ進んだはずが、行きと同じ場所に戻っていた。いまだにゆっくり考えても何故同じ場所に戻れたのか不明である。
 視界が悪いということは、感覚を鈍らせるのであろう。まさかこんな経験が出来るとは夢にも思っていなかった。
 今回の山行はすごい経験の連続でとても充実したものとなった。
 堰堤部分を過ぎ、林に入れば風も収まり、雪道をゆっくり戻ることが出来た。
 途中大山寺神社で参拝し、12:00に駐車場に戻る事が出来た。
 今回の山行はとても充実したものとなり、忘れられない2日間となった。
 テントを撤収し、13:30に大山寺駐車場を後にした。帰り道は除雪も完全に行われており、無事にセミナーパーク駐車場に到着し、20:50解散となった。
 
 雪山、それは夏山と違い、危険が色々な場面で潜んでおり、油断すれば命取りとなりかねない登山である一方、非常に魅力的なものであることを感じる事が出来た。
 経験を積む為にも、もっともっと雪山山行に参加したいと強く思いながら、家路についた。
(文・写真 : 杉原)
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