へのリンク
右田ケ岳岩場コース〜山城山縦走
2008年4月3日
斉藤宗  斉藤滋  Hinoyama(やまびこ) K ・ Mo(一般) 計5名
目指すは山頂
  以前 右田ケ岳山頂に立っていた時のこと。この先は絶壁と思い込んでいた目の前に 突然ひょっこりと人が現われた。 いきなりこの山頂に上がるルートがあるのか・・・?
 こんな所を登ってくるなんて、すごいなあと感心したが、高所恐怖症の私はたとえそんなルートがあったとしても  登るなんて考えられなかった。実際 麓から見上げても 岩場が多い壁のような所を登って行くなんて 到底自分には出来そうになかった。
 ところが一年前頃だったか、何度かこのコースを登っておられる山仲間のKさんが「面白いからぜひ一度」と熱心に誘ってくださった。 相棒のMは「よし 行こう!」と大いに乗り気だったが 幸か不幸か 実行に移すチャンスがなかった。 そんな折 やまびこのHinoyamaさんから、「右田に面白いコースがあるらしいので 近い内に行きましょうよ 」と声がかかった。  当然 Mは大乗り気。 HinoyamaさんとMは岩登りの経験が十分にあるので 問題ない。私は止めた方がいいかも・・・?
 案内役のKさんの説明によれば 高度感はあるけど ホールド・スタンスは十分あるから 多分大丈夫・・・とのこと。  でも怖い! 怖くても行かなきゃせっかくのチャンスを逃すことになる・・・  行くか 止めるか 悩んでいる私を見て「 いざと言う時は俺が引っ張っちゃるから 」と Mが助け舟を出してくれた。

  右田小学校前の駐車場に集合した5人。 Kさん以外は初挑戦のルートにワクワク組とドキドキ組に分かれる。
  Hinoyamaさんの友人のMoさんも どうやら私と同じドキドキ組の仲間らしく少しほっとする。
  9時20分駐車場発。塚原コースへと向かう。 春らしいポカポカ陽気に 少し歩いただけで汗ばんでくる。 椿・アセビ 足元のなんでもないシダでさえ生き生きと輝いて まさに春の真っ只中と実感できる。
  こんな 街からそう遠くない里山でも空気は十分美味しいし 緑は目に優しい。歩けるという幸せを体中に感じることができる。
  塚原コースの下部樹林帯を通り抜け、明るくなったと思ったら分岐があり、左に取ると沢へと下って行く。
  しばらく 沢沿いに登って行くと やがて沢は二股となり ここからは左の沢床を進む。滑べりやすいゴロタ岩が続き慎重に進む。
 やがて傾斜がきつくなって来て沢を離れ、シダの中の踏み跡を滑らないよう慎重に一歩一歩登る。
  Kさんによれば、以前は踏み跡は薄く場所によっては、捜しながら行っていたとのこと。 今は シダはしっかりと刈ってあり きつい傾斜に緊張はするが 道迷いの心配はまったく無い。
分岐から沢へ下る シダの中の急坂
 所々に 岩場が現われるが、木を掴んだり 垂れ下がったロープに助けられたりで なんとかクリア。
  「 あー 気持ちがいい!」「 えー 眺め!!」 いろんな 会話が飛び交うが 私はひたすら 足元だけを見つめ 振り返らないことにする。 うっかり 振り返って 景色が素晴らしくとも 下を見てカタマッテしまったら 一歩も動けなくなってしまう。 ( 以前 この右田ヶ岳の砂まじりの急な斜面を登っていて、ふとこのまま滑り始めたら・・・と思ってしまった途端 カタマッテしまった) とにかく緊張の連続であるが、Kさんのこと細かい説明や指示のおかげで だんだんとリラックスして 登れるようになる。 少し 足場のいいところで小休止。 持参のりんごを出す。
岩場が始まる 要所々々にはロープが
 「さて 今からいよいよ 核心部 」とのKさんの声に 念のためシュリンゲとカラビナの簡易ハーネスをつける。
  大げさかもしれないが、私にとって 未知のコース。悪場に来ていざと思っても足がすくんで何も出来なくなるよりは 用意に越したことは無い。
  Mは持参のザイルをすぐ出せるようにしていたが、見たところそれほど悪そうにもなかったので そのまま登り続ける。 場所によっては斜度45度位はありそうとのことだが、微妙な岩場にはロープがあり 木の枝・根っこ 岩角等 捜しながら トップとラストを 北アルプスの岩稜登攀経験者にしっかり守られ登る。
 ホールド・スタンスは十分な岩場
  やがて 大岩のあるジャンダルムにと登り着く。
  度胸のある HinoyamaさんとMoさんは大岩に上がり 「 気持ちいい!!」と万歳して「斉藤さんも 上がったら」とおっしゃるが  それを見るだけでゾオッーとするので とんでもない!! 迷わずパスする。
  「ここまで来れば、もう後は危険な所は無いから」Kさんの言葉に「やったあ!! うれしい!!」と今度は私も思わず万歳。
  頂上は 目と鼻の先。2〜3人の人が こっちを見ている。いつか 私が驚いたように。 11時20分右田ヶ岳山頂に立つ。何度か立った山頂も今日は格別 参加者全員で喜びの握手。 記念写真も積極的に写る。
山頂はもうすぐ うれしい記念写真
  昼には まだ少し早いので 予定の山城山へと向かう。 みんな 念願のコースを登れた満足感からか話もはずむ。
  塔の岡コースの分岐を過ぎ山口市内が見渡せる展望地で昼食とする。
  ほん この間まで 雪の中で寒さに震えながらポットのお湯に暖を求めていたのに 今日は冷たいお茶が喉に心地よい。 いつまでも 座り込んでしゃべっていたい陽気だが 先が結構長いので出発する。
 前回悩まされた藪は すっかり刈り払われ歩き易い。どなたかこの長い縦走路の整備さぞ大変だったろうと 感謝せずにはおられない。
展望のある所で昼食 まだまだ続く縦走路
  いつもながら、思ったより長く続くこの縦走路も 三谷山への分岐を過ぎると 間もなくいっきに展望が開ける。
  眼下に目指す山城山が見えてきたので この縦走路は初めてというMoさんに「 あれが山城山 」と説明する。
  ところがなんと たまたま足元にあった道標の⇒は隣の尾根の突端の岩場を山城山と指している。
  そんなはずは無いのにと思いながらも⇒の道標が いかにも自信ありげに立派だったので 半信半疑でその岩場に行って見る。 とそこには 山城山260mのこれまた立派な標識。
  しかしKさんの高度計は320を示しており いままでの地形図の判断からしても この岩場が山城山とは思えない。
  まっ せっかく訪れたことだし ここでコーヒーとお菓子で小休止とする。
  長い縦走の疲れも取れ 岩場を後に山火事の跡がいまだ残る尾根を下り 目的地の山城山のピークに立つ。
  以前 ぶら下がっていた山頂標識は 今は取り除いてある。 あの岩場に 山城山の標識が立てられた折に 取り除かれたのだろうか? ( 帰宅後 ガイドブック等参考に検討したが やはり岩場の山頂標識には疑問が残る。あるいは昔から地元ではそうなっているのか・・・? )
  さて下山は膝を痛めないよう 転ばないよう心がけて急坂を一気に下る。
  14時20分三谷森林公園側登山口に無事下山する。 駐車場までの約30分の歩きも 家々の様々な花・本因寺の見事な枝垂れ桜を見ながらの楽しい散歩となる。
山城山の標識があった岩場 本因寺の枝垂れ桜
 不安だった前半の岩場コースも完登でき 後半はうららかな春の山道を縦走し 本当に楽しめた右田ヶ岳の一日でした。
 右田ヶ岳 トラック図
( 斉藤滋 文 ) ( 斉藤宗 写真 )  ( Kさん  トラック図 )
Copyright(C) 2004 Ube Alpine Club All rights reserved.
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送