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紅葉の船形山(宮城県/山形県)
 
 
紅葉真っ盛りのブナ純林
 
日 時  2022年10月16日
天 候  晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋)
行 程  10月14日
焼石岳中沼登山口駐車場(15:55)~R397・県道302~東北道平泉前沢IC~長者原SA(18:35)車中泊
 10月15日
長者原SA(9:00)~古川IC~宮城県色麻町(しかま町)かっぱの湯(10:00-13:00))~岳山林道~大滝野営場(15:05)車中泊
 10月16日
大滝野営場(6:00)~船形山山頂(9:40-10:30)~大滝野営場(12:00-13:00)~かっぱの湯(14:10ー15:45)~東北道大和IC(16:30)~帰路へ
 名前は聞いた事があった船形山は栗駒山、焼石岳に加え、せめてもう1座登りたいで浮上した山だ。コースタイムも我が家にとって程々でクールダウンに丁度いい。しかし問題は登山口までの岳山林道(16Km)で地元色麻町(しかま町)の話では、かなりの悪路との事、苦戦した焼石岳の尿前林道以上を覚悟しないといけないようだ。いい山に登ろうと思えばそれなりの苦労はつきもの、Mに頑張って運転してもらうしかない。
 10月14日
 焼石岳下山後、難路の尿前林道を明るい内に通過、頼りにならないカーナビと喧嘩しながらも、なんとか東北道に乗る。明日は移動日(休養日)今夜は無理せず長者原SAで車中泊とする。夕食の三陸産牡蠣フライ定食が美味しい。

 10月15日
 船形山登山口の一つである大滝野営場に向かう。時間がたっぷりあるので地元色麻町から紹介された《かっぱの湯》に立ち寄る。役場から頂いた資料によれば町内にある磯良神社(おかっぱ様)は全国でただ一つ木彫りの河童が御神体として祭られているとの事、水難除け、足腰の病などにご神徳あるらしい。神社にお参りは出来ないが、せめてお風呂に入り祈りたい。河童の湯に入りますので、登山中、合羽(雨具)を着なくて済みますように・・・(2時間休憩込み入浴料500円、レストランで食事すれば+1時間のサービスが)

 お風呂でさっぱりし昼食も済ませ、大滝野営場に向かう。が又してもカーナビが認知症?(それとも反抗期?)道路地図とにらめっこしながらグルグル同じ所を回ってしまう。悪路(岳山林道)入り口に行き着く前に疲れてしまう。ようやく入口らしきに到着し、対向してきた軽トラを呼び止め訊ねると「1時間はかかる」と気の重くなる言葉が返って来る。車1台やっとの凸凹砂利道、右、左と揺れる車は遊園地の遊具のようだ。緊張続きの1時間きっかり、大滝野営場に到着する。

 ブナの大木に囲まれた駐車場には数台の車、下山して来られた方々と言葉を交わす。地元(仙台)の方が殆どでまず山口ナンバーに驚かれ、更にドライバーが80才で2度ビックリされる。(皆さん笑っておられるのは、よくまぁ、事故無く辿り着いたものだ・・・かな?)どこの山でも、こんな時間が楽しいが夕暮れと共に全ての車が走り去り、今夜も我が家だけだ。夕食のラーメンで温まろう。駐車場のすぐ傍には人命水という清らかな水が溢れる程流れている。船形山の山神様が生んでくれた霊泉(言い伝え)だと小さな案内板が立っている。ご利益があるかな? そうだ、悪路運転のM、少し位焼酎飲み過ぎても今日は気づかぬふりをしよう。
貸し切りの駐車場
 10月16日
 まだ誰も登って来ない野営場を後に東北の山旅の締めくくりに選んだ山、船形山へと登り始める。歩き易い! 普通の山道(変な表現だが)にホッとする。焼石岳の悪路に鍛えられ穏やかに感じる登山道はブナの紅葉が続き思わず立ち止まってしまう。大山、比婆山、大万木・・・中国地方にも美しいブナの森があるが、これほどの見事な森は初めてだ。数10m進んでは立ち止まるM、「こんなペースじゃ午後の3時になっても頂上に着かんよ」と言えば「明日になっても着かんじゃろう」と返る。2日前の焼石岳では殆ど手にしなかったカメラだが自然に手が伸びて行く。右も左も前も紅葉したブナ、ブナ、ブナ・・・。神々しい程の美しさにシャッターを切らずにはおられない。
ブナの大木が続く登山道
 Mの説によれば(正しいかどうかは?)ブナの紅葉全盛は僅か3日・・・だとしたら、ラッキー! 今までの登山人生で特に印象に残っている紅葉と言えば、穂高吊り尾根から見下ろした涸沢と荒菅沢から見上げた雨飾山だ。絶景! どちらも惚れ惚れして眺めたが、ここ船形山は眺めるじゃなく、まさに今その絶景の真っただ中に・・・ドローンで撮影すれば紅葉の森に溶けこみそうな私が見えるかも・・・。
目映い紅葉
 少しずつ高度を上げて行くと、火山特有のゴロゴロ岩が現れ歩き難いが焼石岳程ではない。ガマン、ガマン、やっと稜線へ登り着く。凄~い!! まるで「お疲れさん!」と労うように一面の雲海が迎えてくれている。疲れが一気に飛んで行き山頂への足取りも軽くなる。
月山、大朝日連峰、飯豊連峰が見える
 たっぷり時間はかかったが、心配した午後3時(笑)までは余裕の時間で山頂着、本当に嬉しい。360度の大展望、鳥海山、月山、大朝日岳、遥か遠くに飯豊山、かって元気な頃(今より)に登った山々が雲の向こうに浮かんでいる。ガスで視界の無かった栗駒山、下山が心配で心の余裕が無かった焼石岳の分まで、ゆっくりと眺め写真も撮る。今まで殆ど意識していなかった船形山を選んだM、大殊勲だ(まぐれかも)
360度の大展望を楽しみながらのひと休み
 いつまで居ても飽きないが、そろそろ下るとしよう。下山途中、1人の男性に会う。ここをホームグランドにしておられるという。見事なブナの感動を伝えると、「遠い山口から来て貰い、そう言って貰うと嬉しい」と喜ばれる。我が家のホームグランドは大海山かな? レベルが違い過ぎるが、そういう山があるって本当に幸せな事だと思う。
宝石のようなマイズルソウの実
森に抱かれて歩く
 ジャスト正午に下山完了。日曜日とあって駐車場はほぼ満車、1人の男性が特大の鍋で湯沸かし中だ。何の為に? 山を整備中のお仲間のため(そういえば、下山中にそれらしき人達に出会ったが)に足湯用の湯を沸かしているとの事、名水の足湯、きっと疲れが取れるだろうな。何処の山も、地道に黙々と整備してくださる方、それを支えておられる方がいらっしゃる。男性の傍には更にお供のワンちゃん(熊除けか)全身真っ黒、一目で《甲斐犬》と分かる。甲斐犬は気が荒いと用心したが、なんと尻尾を振って私に飛びついてくる(あなたの仲間ではありません!)男性の勧めでリードを持たせて貰い、そこら辺を少しお散歩。貴重な体験をさせて頂く。
甲斐犬と戯れる
  難関の岳山林道を無事走破し、往路で利用した《かっぱの湯》まで帰り着く。「無事下山したら絶対寄ろうね」と楽しみにしていた。まずは《お風呂よりお昼ご飯》サンマのかば焼き丼を食べる。350円とは思えない程の美味しさに大満足。「サンマのかば焼き」「サンマのかば焼き」と登りで苦しかった時、何度も思い浮かべ頑張った甲斐がある。願いを全て叶えてくださった河童の神様に心から感謝。お風呂で汗を流したら帰りも焦らずゆっくりと帰って行こう。 


 10泊11日の山旅なのに登れた山は3座だけ・・・それでも心和む出会いがあり、貴重な体験もできた。耳が遠くなり、目が見えにくくなり、落ち込んで行くばかりのこの頃だったが、自分達のペースで何とか目標の山に挑戦出来た。80才と78才、明日の事は分からないが今日の一日を感謝しながら、これからもゆっくり、のんびり登っていきたい。
 
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
紅葉の焼石岳(岩手県)  
   
    
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