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蔀山~大毛無山縦走(広島県庄原市)
 
 
 
日 時  2022年2月26日(土)~27日(日)
天 気  晴れ
メンバー  内田、石田(会員外)、鹿野(会員外)
行程  山口~松江道高野IC~高野上市9:15~蔀山10:35~林道交差13:00~毛無山14:40~テント泊~毛無山7:45~大毛無山8:25~林道10:00~毛無山牧場10:30~高野上市12:00~高野IC~山口
 村上がようやく落ち着いて山に行けるようになったと聞いて、旧知のメンバーで酒飲み山行を計画。行先は石田さんから教えてもらった蔀山~毛無山とする。無積雪時は藪尾根らしいが、今年は雪が多いので快適な尾根歩きが楽しめそうだ。
 ところが、急遽、村上が外せない所用のため不参加となり、山行の目的がなくなってしまう。三人とも落胆するが、それでも気を取り直して予定通り備北を目指すことに。松江道の高野ICを降りると、これまで見たことのないほどの雪景色が広がっていた。この雪では駐車場所にも悩むが、石田さんが目星をつけてくれていた場所を除雪して無事に駐車。
駐車場所を確保
 ここで失敗一つ目。内田がストックを忘れたことに気付く。それでも、石田さんの厚意にすがり、ありがたくストックを1本拝借して出発。蔀山に取り付く前にスノーシューを装着した。蔀山の山頂までは登山道と思われるところを進むが、既に結構な積雪があり、スノシューの本領発揮となる。
 山頂には立派な東屋があり、屋根の雪が目を引いた。蔀山から北に延びる尾根に出るのに少し悩むが、一旦、尾根に乗れば、迷うことはない。ネットの記録で見た笹薮はすっかり雪に埋もれて影も形もない。ただ、灌木の枝がザックに当たるのが微妙なストレスとなった。それでも、多少のアップダウンを経ながらの尾根歩きは気持ちが良い。
蔀山山頂の東屋
北に延びる尾根に乗る
 ここで失敗二つ目。ここ何年も出番のなかったスノーシューを久々に引っ張り出したところ、尾根の途中で、経年劣化のため早々にベルトが切れることになった。一応、前日に確認はしていたものの、実際に低温下で使用すると、見事なほど次々とベルトが破断。この雪でスノーシューなしでは撤退するほかないのではと不安になったが、ここでも石田さんの持っていた結束バンドで応急措置をして、何とか最後まで歩くことができた。今回、本当に石田さんには頭が上がらない。
 途中、延々と雪を掘り起こして木の根を食べた痕跡や雪上に笹を敷き詰めた獣の寝床があった。前者はイノシシだろうが、後者は大きな爪のある足跡から推測するに熊だったのだろうか。足跡は新しく、その主がまだ近くにいるかもしれない。しばらくの間、声を立てながら進むことになった。
獣の寝床 ひょっとして熊?
 そのまま順調に尾根を北に辿り、ようやく870m付近の林道に到着。ここで小休止をとる。当初、林道でテントを張ることも考えていたが、まだ時間に余裕があることから、先に進むことにした。
 振り返ると蔀山がずっと後ろに見える。テント設営適地を探しながら進むが、このペースなら余裕をもって毛無山まで行けそうだ。苦労して担いできたお酒を美味しく飲むため、もうひと踏ん張り。
蔀山がずっと後ろに見える
 ようやく毛無山に到着。ゆっくり飲みたいので、ここでテントを張ることにする。明日にかけて冬型の気圧配置となり、天気は良いが、強風が予想される。石田さんの指示により風の影響を受けにくい場所を選び、雪を踏み固め、念入りに整地。このひと手間が快適なテント生活につながるのだ。
 テントの設営が終わると、早速、担ぎ上げたお酒で乾杯。天気が良いので、夕食も外で食べる。日暮れ前になるとさすがに寒くなり、テントに入ったが、結局、23時過ぎまで飲み続けることとなった。苦しい思いをして担ぎ上げた大量のお酒はすべて無くなっていた。寝る前に見た夜空には満天の星がきらめいていた。
快適なテン場
 朝起きると、自分たちのトレースが消えかかっていることから、夜間、かなりの風があったようだ。快適なテン場のおかげで気づかなかった。いつものように二日酔いで頭も身体も思いが、朝食をとってから出発。ここにテントを残して、せっかくなので大毛無山まで行ってみることにする。
 進む先には見事な雪庇が発達しており、朝日を受けて真っ白に輝く尾根の連なりは得も言われぬほど美しい。特に、大毛無山への最後の上りには、まるで連続する波かとまがうばかりの雪庇が造り出されていた。
得も言われぬ造形美
 毛無山から40分ほどで大毛無山の山頂へ。標識は雪の下に埋もれているのだろう。目印となるようなものはないので、一番高いと思われるところで写真を撮った。振り返っても、毛無山に隠れて、もう蔀山は見えない。ここまでよく歩いてきたが、これから駐車地点まで帰らなければならない。
 毛無山まで戻り、テントを撤収してから下山開始。来た道をピストンするのも面白くないので、途中の林道から毛無山牧場へ降りることにした。
 ショートカットで急な斜面を下ると、林道に出る。そこから延々と長い林道歩きが続く。牧場まで行けば、除雪されているかと期待したが、見事に牧場は雪の下。結局、民家近くの池まで歩いて、ようやく除雪された道路に出ることができた。除雪された道路は歩きやすく、そこから駐車地点まであっという間。今回、よく歩いて、よく飲みました。
牧場はまだ雪の下
トラック図(蔀山~大毛無山)
 行先の選定やストックの拝借、スノーシューの応急処置など、今回、いろいろな点で石田さんに頼り切りの山行となってしまった。でも、頑張って歩いた後、人気のない山で飲むお酒は格別だった。石田さんに深く感謝するとともに、引き続き、ご指導をお願いしたい。
 
( 文:内田、 写真:鹿野・内田 )
    
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