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雪の小五郎山
 
 
 緩やかな斜面を登って行く
 
 
日 時  2022年2月8日(火)
天 気  曇り 一時晴れ
メンバー  斉藤(宗)  斉藤(滋) 江本(直) 田中(山口山岳会) 福永(会員外)
行程  宇部東IC(5:45)~中国道~六日市温泉ゆらら(7:40)~向峠野菜市駐車場(8:25)~林道終点登山口(9:00)~小五郎山(11:36-12:34)~林道終点登山口(14:10)~向峠野菜市駐車場(14:37)~宇部東IC(17:20)
 山友の福永さんから電話を頂いた。要件は山の事では無かったがチャンス到来とばかりアタック開始! コロナ禍の事もあって雪山シーズンを迎えても、まだ何処にも出かけていない我が家、早速訊ねる。「雪山、何処か行かれました?」「冠山、安蔵寺山に登りました」しかも単独で!羨ましい。こうなったら少々厚かましくても押せ押せムード、我が家にも付き合ってください!とばかり、近場で残っている小五郎山にとお誘いする。元々優しいお人柄、すんなりОKして頂き次の寒波が待ち遠しい。
 六日市温泉ゆららで福永さんと合流し、軽く挨拶を交わす。我が家の他に昨秋の四国山行でお世話になった大海山常連の田中さん、会の直子さんを誘っている。2人は昨春の大海山花見山行で既に顔なじみだ。田中さんは昨年の残雪期、臥竜山での2回にわたる読図山行にも誘ったので福永さんとも顔なじみ、今日は楽しい一日になりそうだ。
 向峠野菜市前に駐車させて頂き支度をしていると車でゴミ出しに来られた地元の方が「山は雪が積もってますよ」と心配顔、誰かさんは「雪があるから登るんですが・・・」とつぶやいている。それにしても田舎の方(失礼!)は素朴で親切「気をつけて登って来てください」と笑顔で去って行かれる。さぁ登山口までの林道歩き頑張るぞ。10年近くご無沙汰の小五郎、どんな様子で迎えてくれるだろうか?田中さんも直子さんも雪の小五郎は初めてらしく、それだけで誘って良かったと思う。
 殆ど雪が解けている林道歩きが終わり、いよいよ山道に入る。植林と自然林が入り混じった登山道は期待通り雪が残っているが、先行者の跡もしっかり(何日前か分からない)喜ぶべきか・・・数年前までは踏まれているとがっかりしたものだが、いつの頃からか内心ホッとしている自分・・・歳だからと諦めつつも、短い距離でも先頭でと意気込んでいた頃が懐かしい。急な斜面のトラバースで遅れがちな私を待つように福永さんが立ち止まり田中さん、直子さんに安全な歩行術を伝授中(いやいや、2人のスムーズな足運びは問題ない)もたついている私こそ即実践してみたいが、追いつく事でいっぱいいっぱい。
急な斜面をトラバース
 以前《警察官立寄り所》というユニークな案内標識のあった主尾根の鞍部に到着、一息入れる。さぁ此処からが本番、急登の始まりだ。背の高い笹の葉が雪の上に覗いているがそこそこの積雪は覚悟したより登り易い。それでも間が空いてしまう私を気遣って立ち止まり、何やら話し合っている仲間、みんな上を見上げ葉をすっかり落とした冬の樹々に見入っている。ウリハダカエデ、コナラ・・・裸木が立ち並ぶ冬の林、新緑や紅葉も美しいが陽射しをいっぱい浴びて明るく見通せるこの時期の山が私は好きだ。
落葉し明るい林
 だが、今日のように曇り空ではグレー一色、写真に撮っても地味で映えない。そういえば今日のMの服もグレーぽい。「なんで今日に限ってその服なん?写真映えせんよ」と小言を言えば「何を着ようと儂の勝手じゃろう」と即、返って来る。はい、ごもっともです。冬山では 温かいのが一番じゃね。
写真映えしない服装?
 最後の急登手前のやせ尾根を行く。いつか?大雪の後の登頂で大きく張り出した雪庇に大喜びした私の友に「危ない!」とMが慌てたっけ。大雪でも果敢に挑んだあの時の仲間達(今はみんな後期高齢者&前期高齢者)殆どが山から遠ざかりめったに顔を合わす事もない。山だけが全てじゃないが、なんだか寂しい。
山頂を眺めながら進む
 短いがやはり手ごわい最後の急登、振り返れば頑張って歩いた景色が見下ろせる。残念! 青空だったらもっと凄いのに。それでも田中さんも直子さんも満足そうな笑顔でホッとする。
山頂へ、もう一頑張り
余裕の笑顔
 たっぷり時間がかかったが、お昼には間に合った。10年近くご無沙汰だった山頂、変わらぬ景色が広がっている。鬼ヶ城、冠、寂地、安蔵寺山・・・。一通り眺めて昼食タイム、福永さん持参のスコップで直子さんが大奮闘、立派な食卓が完成し席に着く。今日は寒い時でも食べやすい手巻き寿司にしたが、その昔、降りしきる雪の中、仲間と雑煮を作り震えながら食べた事が懐かしい。
食卓作成中 頑張る直子さん
祝登頂 記念写真
 お腹も満足し下山を開始する。よ~し、登りは余裕が無くて撮れなかった写真頑張るぞ。シャッターチャンスを逃さないよう、カメラはいつもザックに留めている。バカチョンなので私でも撮れると以前はメンバーの前に走り前からパチリ、後ろからパチリと撮っていたが今は無理、瞬発力が無くなった。今は後を追うだけで精一杯、さらに手先が思い通り動かない。シャッターチャンス!とカメラに手を伸ばすがモタモタ・・・急いでファインダーを覗いてもモデルはとっくに消えている。 
 持参のワカンの出番が無いまま下って行く。林道終点登山口まで後数歩、目の前に横たわる邪魔な倒木を「よいしょ」と跨ぐ。ん?! やはり来たか!!右大腿部に走る激痛・・・すぐさま特効薬の68番を取り出す。毎度の事で慣れてはいるが、上手に跨げばよかった。あれやこれや老化現象を自覚しながらも無事駐車地に帰り着く。
 福永さんとはここでお別れ。昨年も雪の臥竜山読図山行でお世話になったが、今日もたくさん学べた。変わらぬ友情に心から感謝! 本当に有難うございました。田中さん、直子さん、お付き合い有難う! お陰で「儂の登山人生も終わったな・・・」と昨秋の四国山行ですっかり自信を無くし落ち込んでいたMも何とか元気を取り戻せそうだ。
 
( 文:斉藤(滋)  写真:斉藤(宗) 斉藤(滋) )
    
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