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上ノ谷沢(高津川水系)
 
 
日 時  令和2年7月11日(土)
天 候  晴れ
メンバー  高田、江本(直)、大石、内田
行 程  山口~山口IC~六日市IC~樋の谷偵察~ゴギの郷~入渓8:25~軍艦滝9:25~大堰堤9:50~650m二俣10:40~F5二段の滝11:15~縦走路~安蔵寺山13:40~ゴギの郷14:50~六日市IC~山口IC~山口
 かなりの降水があった今週。羅漢山の48時間雨量は180mmを越えたようだ。遡行するにしても相当な増水が予想される。今回、多少増水しても登れる二つの沢を候補として、現地の様子を見てから判断することにした。
 山口を出発し、六日市ICから向峠へ。大橋から見ると下方の深谷川は濁流と化していた。まずは、以前、水量の多い時に入った樋の谷に行ってみる。道路から樋の谷F2を見ると、以前の時よりも水量は多そうで、左俣も右俣も激流となり、直登するのはかなり厳しそうだ。無理はしないこととし、目的を安蔵寺山の上ノ谷沢に変更した。
 ゴギの郷に到着後、準備をして、道路から見える堰堤の上で入渓した。上ノ谷沢も以前水量の多い時に遡行したことがあるが、その時よりも水量は多い。普段は浸かることのない岩も全て激しい水流に覆われ、膝まで水に浸かると、押し流されそうになる。激流系の沢に近い感覚だ。
沢が増水した流れに覆われている
 それでも安全第一で遡行開始。なるべく水流に入らないよう、岸沿いをへつるように進む。時折、反対側の岸辺へ移る時は、なるべく浅い箇所を渡る。なかなか気が抜けず、遡行図にあるように落葉広葉樹を観て楽しむ余裕はない。
なるべく水流に入らないように進む
 一度、内田が小滝を攻めようと、水中の岩に安易に足を置いた途端、水流に足をすくわれ、一気に押し流された。一瞬だが、完全に身体が水中に沈み、複雑な水の流れにもみくちゃにされる。今回の水量では遊んでいる余裕はないようだ。普段なら1m未満の滝とも言えない滝がことごとく立ちはだかり、通過するのに時間がかかった。
この後、激流に押し流されることになる
へつりもなかなか難しい
 間もなく軍艦滝が現れる。滝全面でかなりの水が激しく踊っており、とても水流に触れることはできない。それでも滝を観察すると、水流右端沿いが登れそうだ。右岸から左岸へ渡るのも緊張するが、無事に軍艦滝を越えた。
激しく水が躍る軍艦滝
 軍艦滝を越えてしばらくすると、大堰堤に出る。堰堤の落とし口から吐き出される水流が大迫力だ。打たれてみようと近づくと、水流に軽く触れただけで身体が弾き飛ばされた。
 大堰堤を左岸から巻いて、その先で再び沢に入る。遡行図によれば、軍艦滝の後は平凡な河原が出てくるはずだが、その気配はない。堰堤で姿を消したのか、それとも今回の水量で水の下に沈んでいるのか分からない。
 その後、標高650m付近の二俣を左に進み、しばらくするとF5二段の滝が現れる、下部と上部を合わせると、なかなか見事な滝だ。慎重に下部を越え、中間からロープを出す。上部は右岸のスラブを登り、水流左端を落ち口に抜けた。
F5二段の滝
F5上部
 次第に沢の幅は狭くなるが、相変わらず水流は勢いがある。普段はここまでの水量はないのだろう。源流域になっても水の流れが続いた。最後は大した笹藪もなく、縦走路へ。
相変わらず水量の多い沢を進む
 そこから安蔵寺山のピークを目指すが、思った以上に足に疲労が溜まっている。強い水流に抗って進むのは、意識しないうちにかなりの消耗を強いられていたようだ。山頂で小休止をとった後、一気に登山道を下山した。
トラック図(上ノ谷沢)
 今回は無事に遡行することができたが、これ以上水量が多ければ、沢登りを楽しむことはできなかっただろう。これからも自分の力を過信せず、状況に応じて適切な判断ができるよう心掛けたい。
(文:内田、写真:高田・内田)
      
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