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境谷~イチマ谷(広島県市間山)
 
 
日 時  令和2年7月5日(日)
天 候  曇り
メンバー  内田、鹿野(会員外)
行 程  山口~山口IC~吉和IC~筒賀布原~立岩ダム8:20~入渓8:30~680m分岐9:50~縦走路~市間山11:20~イチマ谷~林道12:10~筒賀布原14:00~吉和IC~山口IC~山口
 久しぶりの市間山の沢。十方山も含めて、この近辺は良い沢が少なくない。以前から地形図を見て、市間山東面のイチマ谷はどうかと思っていた。今回、立岩ダム側から境谷を遡行し、探索を兼ねて反対側のイチマ谷を降りることにした。
 下山地点の筒賀布原に車を停め、もう1台で立岩ダムへ。ダムの堰堤を渡って境谷にかかる橋の下から入渓した。
 すぐにF1が現れ、その後も滝が連続する。ロープを出すほどではないが、前日の雨で水量が多いため、慎重に越えた。
境谷F1
 朝イチでは立ち込めていたガスも消え、時折、木洩れ日が射してくる。雨上がりの沢に陽が差す光景は、何とも言えない美しさがある。
 快適に遡行を続けると、10m以上の大きな滝が現れる。12mF8だ。前回は鹿野がリードしたので、今回は自分が登らせてもらう。左岸から取り付き、そのまま水流沿いを登る。途中ホールドで掴んだ岩が剥がれ、危ないので下に落とすことがあった。この沢は岩が脆いので注意が必要だ。
F8は左岸を登る
 その後、多段の斜滝F10が現れるが、その最上部はずっと奥に見える。これを一つの滝とみなせば、相当な長さとなるだろう。前回も登っているはずだが、この滝は記憶にない。中間までフリーで進み、そこからロープを出す。水流の左端に沿って、カムで支点をとりながら登り、そのまま最上部を抜けた。
F10は中間からロープを出した
 680m付近で二俣となる。右俣には斜滝がかかっており、水量も多い。何の疑問も抱かず右へ進むが、何だか様子がおかしい。GPSで確認すると、本流は左俣のようだ。前回の記憶によれば、まだ10m超の滝があったように思うので、分岐まで戻り、改めて左俣に入る。
間違えた二俣
 左俣を進むとすぐに15mF11が現れた。やはりこちらで間違いなかったようだ。鹿野が左岸の水流沿いを登る。結局、支点をとらずにスルスルと落口の右を抜けていった。安定感抜群だ。
安定した登りでF11を越える鹿野
 その後すぐに750m付近の二俣に出くわす。境谷の名前の通り、吉和と戸河内の境を辿る予定だったが、左俣へ行かなければならなかったのを右俣へ進んでしまう。この時点で水流は細くなり、もう滝は望めそうになかったので、そのまま源流域から縦走路へ詰めた。最後、大した藪はないものの、なまった身体が重く、縦走路に出てからも市間山までが遠く感じた。
 市間山のピークを踏んでから、イチマ谷に入るため東面の急斜面を降りる。間もなく傾斜は落ち着くが、水の気配はない。そのまま谷を下ると、両岸からの倒木が目立つようになった。そのうち水流が出てくるが、滝らしい滝は現れず、行く手を阻む倒木が延々と続く。気がつけば舗装された林道に出た。
倒木が続く
 その後、倒木はましになるが、なかなか渓相に変化は現れない。いくつかの堰堤を巻いて沢を下ると、ようやく550m付近から雰囲気のあるゴルジュとなった。小さい滝だが思った以上に深い釜を持っている。
ゴルジュの中の滝
 面白そうな小滝を登り返しながら下っていくと、小さなホールのような空間が現れた。鉄製の橋がかかっており、何とも不思議な空間だ。沢は滝となってホールに落ち込んでいる。とりあえずホールに降り、鹿野が滝に取り付く。見た目よりも抜け口が悪かったようだ。
不思議な空間の滝
 その後も、小さいながらも釜を持った滝を楽しみながら進んでいくと、突然、大堰堤が現れた。下には人工物が見える。ようやく終点だ。大堰堤を右岸から巻くとコンクリート道が通っており、それを辿って大堰堤下に出た。
トラック図(境谷~イチマ谷)
 結論から言えば、イチマ谷に滝らしい滝はなかった。ただ、550m付近のゴルジュまでは釜のある小滝が続き、水がきれいなこともあって、暑い時期には楽しめるのではないだろうか。地形図では良さそうでも、実際に沢に入ってみないと分からない。やはり探索の沢は難しい。
(文:内田、写真:鹿野・内田)
      
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