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 大山縦走(船上山~大山)
 
 
日時  令和2年2月12日~14日
天 候  曇り・雨・晴れ
メンバー  石井 村岡 林
行 程  2/12(水)曇りのち雨
船上山バス停7:20~船上山神社10:00~勝田ケ山手前テント場(950m地点)13:15

 2/13(木)曇り
テント場発6:00~勝田ケ山三角点7:30 7:40~勝田ケ山頂上8:30~甲ケ山11:55~小矢筈ケ山14:20~矢筈ケ山15:50~大休避難小屋18:25

 2/14(金)曇りのち晴れ
避難小屋6:20~野田ケ山8:50 9:05~親指ピーク10:55~振子山12:30 12:50~象ケ鼻14:40~ユートピア小屋14:50~宝珠越16:00~下宝珠越19:00~大神山神社20:40
  ずっと行きたいと考えていた、船上山から大山(弥山)への縦走。今回は石井さん・村岡さんという大ベテランと一緒に行くことが出来た!
 車を大山口駅の無料駐車場に停める。そこから電車に乗って赤崎駅へ。
 赤崎駅から船上山へのバスが出ているのでアクセスは容易だ。バスの終点から15分程歩くと、船上山ダムの登山口へ到着。暖冬の影響で雪は少ないみたいだが、路肩と登山道にはしっかりと雪が積もっている。
 しっかりと積雪の有る大山環状道路を歩いて先ずは船上山を目指す。
登山口に到着
 トレースもあり、ツボ足でも歩きやすい。
 「トレースがあれば余裕だな!」と思ったのもつかの間、船上山山頂付近でトレースが消える。どうやら先行者はここで引き返したみたいだ。そこからは膝下のラッセルが続く。
 軽量化に努めたが、二泊分の荷物+お酒で荷物は重たい。それでもやはりお酒は欠かせなかった。
 この日は、翌日以降の行程を踏まえて甲ヶ山あたりまで行きたかったのだが、雲行きが怪しくなり小雨が降ってきた。この日の予報は夕方から激しい雨。雨で濡れてリスクを背負う事よりも、早めにテントを張って翌日頑張ろうという事で勝田ヶ山への登り途中で早々にテントを張る。
 予報通り、一時間もしないうちに強風と激しい雨が降ってきた。なんとかテントも間に合って一同安堵。早々からお酒を飲むことにする。
 石井さんの持ってきた焼酎と、僕のウイスキーで楽しい夜を過ごした。村岡さんは「お酒は飲まない」と言いつつも、しっかりと一番多くウイスキーを飲んでいた!お酒を全部飲み干してしまいそうになったが、翌日の楽しみのために残しておいた。軽量化のためにビールを持ってこなかったことを石井さんと後悔しながら就寝した。
 3時半に起床。5時出発の予定が少々遅れてしまう。外はまだ真っ暗だが、景色の変化にびっくりした。なぜなら、昨日の雨で積雪が明らかに減っているからだ。ブッシュも多くなっている。恐らく、15~20cmは一晩で解けたのではないかと思う。
 「これはラッセルが楽になるかも?」と思ったのだがそんな事は無い。脛ぐらいまでのラッセルで、雪が非常に重く、ワカンにまとわりついてくる。一歩一歩に筋力を使ってしまう。そして何よりブッシュが多い!ラッセルとブッシュをかき分けるのにかなりの労力を強いられる。そんな状況に楽しみながらも甲ヶ山まで。
とにかく藪が凄い
勝田ヶ山山頂
 
 甲ヶ山山頂手前にはちょっとした岩場がある。ワカンでは岩場が歩きにくいため、念のためアイゼンに切り替えた。数年前に夏に来た時には確かハーケンがあったと思うので、状況が悪ければロープを出す人も居るのかもしれない。
 甲ヶ山からの下りも急峻だ。最初の1ピッチだけロープを出す。それからは岩交じりの急な下り。ここも足を滑らせてしまえば危険だが、時間もかかるのでロープを出さずに下った。どこまで下るか少し分かりにくい。
甲ヶ山の岩場
甲ヶ山の下り
 甲ヶ山から矢筈ヶ山へ。矢筈ヶ山からの下りは、尾根がいくつかに分かれているので、雪とガスがあるとルートを見失いやすいかもしれない。
 今回は視界があったので、コンパスで確認しながら無事に進めた。この時点で、時刻は16時近くなってしまった。この日はなんとか大休峠まで行きたいのだが、このままのペースでは確実に暗くなりそうだ。無理せず行けるところまで行こうと先を急ぐ。
 矢筈ヶ山の尾根末端1300m地点から大休峠方面への下りのルートが多少分かりづらかった。というのも、藪が非常に濃く最適なルートが見極めにくい。藪の薄いところをついて、コンパスで方向を確認しながら下る。途中でトレースを発見するが、本当に藪が濃く、おまけに辺りは真っ暗になってきて難儀した。
 大休峠への方向は分かるが、避難小屋の詳しい位置まではよくわからなかったので、最終的にトレースに助けられピンポイントで避難小屋に到達することが出来た。時刻は18時25分。12時間以上ラッセルをしたことになり、疲労感が凄い。小屋に到着するや否や、湿雪でずぶ濡れになったグローブや靴などを乾かす作業に入る。こんな時の山小屋は本当にありがたい。
 非常に疲れていたが、執念でウイスキーを一杯だけ飲むことが出来た。やはりビールを持ってくるべきだったと多少の後悔を残しながら就寝した。
 翌朝は筋肉痛に耐えつつ6時20分に大休避難小屋を出発。野田ヶ山まで非常に分かりやすい。出発当初は雪も締まって歩きやすかったが、すぐに前日同様非常に重い湿雪となった。野田ヶ山山頂で一服。天気はすこぶる良い!テルモスに入れたココアを薄めて飲もうと、コップに雪を入れて薄めて飲む。なんだか妙にアンモニア臭くすぐに吐き出した。昨晩溶かした雪に何か入っていたのか?結局、下山するまで臭いコップでココアを飲んだ。
 親指ピークを経由し振子山まで。親指ピークは下りが急峻で念のためアイゼンで。
 親指ピークの下り
 それ以降も、とにかく藪が凄い。ラッセルと藪漕ぎで時間もかかるし体力も使う。
 3人で冗談を言いながら、大山の美しい姿に励まされながらユートピア小屋に到着。翌朝が休みならばここで一泊して、翌朝頂上縦走としたかったが、残念ながら仕事だ。ショートカットの為に宝珠尾根を下る事にしたのだが、これが思うようにいかず大変だった。やはり藪に悩まされ時間が多いにかかってしまったのだ。
 結果的に21時ごろ下山し、下山中僕は時間が遅くなるとかなり焦ってしまったが、石井さんと村岡さんは全く動じていなかった。「山では何でも上手くいかないと考えた方が良い」と考えることで、ハプニングにも冷静に対処できるのだと石井さんに教えられた。村岡さんは口数こそ少ないが、率先した行動で色々な事を教えてくれた(と僕は受け取っています)
 今回の山行でベテランのお二人と行動を共にし、沢山の事を学べた。大山の北壁を登ったりする山行も楽しいが、今回の様に重い荷物やラッセル・藪に苦しめられる泥臭い?山行も大変楽しい。そして大ベテランのお二人と一緒に山に行けて、より楽しかった!
象ヶ鼻から剣ヶ峰をバックに
船上山~野田ヶ山を望む
今回のログ。画質が荒くてすみません
(文:林、 写真:林・石井、トラック図:石井)
      
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