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物見ヶ岳の新コース探し(その3)
2007年12月26日
 
メンバー:斉藤、(やまびこ・Fuku,N)、(OHC・K)、(コンパス・H)、(一般・T)以上6名
 今年春から阿東町・物見ケ岳の崩落危険箇所を避けて、安全なコースを探し 3回目の入山をした。
 過去2回の報告はhttp://ubealpine.fc2web.com/18houkoku/54-monomigadake.htmhttp://ubealpine.fc2web.com/19houkoku/19-monomigadake.html を参照されたい。
 年の瀬とは思えない 暖かい朝である。長門峡道の駅を8時半出発。まだ冬眠していない熊に出会いたくないし、猪猟の巻き添えにならぬよう 申し合わせて鈴や目立つ 色を身につけての賑やかな一行である。 (途中左側に 今日の後半の下山予定地点を見上げる。かなり急な植林地である。)
 R9を南西に進み、城平踏み切りで山口線の線路を渡る。ここから地道なりに行くとすぐ分岐がある。左に進むとすぐ沢沿いの道になる。
冬枯れで水量の少ない沢を右下に見ながら 古い踏み跡を辿る。 危険箇所は無く、落ち着いたいい所だ。
 こんな沢沿いの道
 地図を見ながら
  左上に枝道が2ケ所あるが無視してよい。概ね 右岸(上流に向かって左側)を進むが 数回渡渉が有る。(大雨の後は渡渉困難かもしれない。)
荒れてはいるが歩き易い
 ヒラタケ
 沢をつめて行くと 滝に行く手を阻まれる。「五段滝」である。見物したら30m引返そう。
 左岸に渡渉すると踏み跡があり登りとなる。右側に大きな白い岩肌が見える。
 この上が例の「崩落危険箇所」である。 登りはすぐ終わり、本来の登山道に合流する。ここに「五段滝」の標識がある。これで安全に入山できる道が確認できたことになる。
 この山が初めてのNさんは「崩落危険箇所」を見に行く。今日は濡れているのでヤバく 見るだけにしてもらう。
 崩落危険箇所を見下ろす
 今年は特に水量が少ない
 引返し 沢コースを登る。この山の良さは この沢にある。今の時期水量が少ないので、連なる小滝はショボク見えるが、新緑から夏は 充分楽しめる。
 読図の虫のこのメンバーは 沢の中でも現在位置を確認しながら登っている。感心するが 今日の後半・未知の尾根下りが控えているので あまり時間を掛けたくない。 立案した筆者は気があせる。
 高羽岳から奥に弟見山・荕ケ岳
 天狗岩での昼食
 とは言ったが あまりの好天で、天狗岩の昼食にはたっぷりと時間を費やす。
 結局 お勧めルートは、添付図のピンクのラインとなる。(赤い破線は崩壊危険箇所を通るので、熟達者向きである) 初めてこのルートを使われる場合、図中の赤い矢印方向で周回すると、分かりやすい。尾根ルートの終盤の天狗岩からの展望がお勧め。
 沢ルートは一部ナメラの通過があり、雨後は滑りやすいので足元注意。 五段滝の標識で右下の沢に向かって降り、渡渉すると右岸側に踏み跡があり 沢沿いに下るとJR山口線の城平踏み切りである。
 昼食・休憩込みで5時間かければ ゆっくりできる。
 物見ケ岳 お勧めコース
付  録
  今日の第一目標は達した。午後は未知の尾根下りを予定している。それは「物見ケ岳の北の629m、499mを通り、崩ケ谷川河口に降り立つこと。今年 何度か行ってきた 読図山行の集大成としたい。
 地形図を見ると499mまでは あまり起伏がないので、笹藪がなければ問題なさそうである。 物見ケ岳山頂から北東に 高羽岳への縦走路を進み、間もなくジャンクションピークに達する。ここで シルバコンパスを 629mへセットし突入。
 今後の地形を入力
 木立の間をすり抜ける
 しかし明確な踏み跡がある。意気込んでいたので拍子抜けである。でもしばらくするとこれらは消滅する。高羽岳への縦走で間違って入り込み 引返した様子である。 だんだん立木がうるさくなるが 心配していた笹藪は無い。
 傾斜の変化が無く、視界がない林の中では距離感が鈍くなる。(次回は歩数計を使いおおよその距離を測ることを試みてみよう) こんな所でもFさんは、左右に張り出す尾根の位置から 629m地点を当てた。
 それからも 変化の少ない尾根が続き 少しづつ高度をさげていく。単調さに飽きたころ突然手入れされた道になる。 我々は499mへ シルバコンパスをセットしているがその通りに道は切り開かれている。(道の手前側は、左下の急坂に下っている)
今までと比べると ハイウエイであり、どんどんはかどる。
 すぐに道は再び左下へ急坂となる。ここで現在地が解らなくなり鳩首会談がはじまる。行動的なHさんは 道とは違う方向に偵察に向かう。冷静なNさんは少し戻り 右へ派生する小尾根を見つける。Hさんの報告も合わせて 現在地が分かる。尾根に歩きやすい道があらわれ進む速度が変わって 距離を誤ったようだ。
 急坂を下り登り直すと499mである。ここでシルバコンパスをセットすると進路に切り開きの道が続いている。 ラッキー どんどん下れる。勢いついて下っていると Fさんから「待った」がかかる。「進路が変わりつつある」とのこと。
 少し登り返して 又 鳩首会談。この位置から二つの尾根が派生しているが、(より本気でセットした)シルバコンパスの進路は真ん中を指している。 その方向には、尾根は無く 筆者のレベルでは途方にくれるのみ。
 行動的なHさんは、あちこち下り情報を伝えてくるが、益々分からなくなる。12月の山の日没は早いので、何となく安易な下山が出来る切り開きの道を偵察方々進む。 Fさんは納得いかないまま付いて下りていたが、「やはり違う。元に戻ろう」と言って登り返しはじめる。
元に戻るには標高差130mくらい登り直すことになる。答えのでていない所に戻っても、日没までに下山できるだろうか不安になる。
 499m下でFさんは精力的に地形を調べているが、まだ答えは出ない。Kさんのミカンを頂きながら、「消去法」を思い出す。 目的の尾根の両側に顕著な尾根形状がある。どちらも進んではならないが、夫々をコンパスにセットしてみる。そうするとピタリ合致する。
  すなわちこれら顕著な尾根に入ってはいけない。(先ほどは右の顕著な尾根を下っている)目的の尾根は必ずこの間にあることになる。
 進路のみセットし、そこに尾根が無く呆然としたが、発想を転換すると見えなかったものが有るような気がする。
  その時、Fさんは 「左の尾根を下っていると右隣に新しく尾根が見えてくる筈。そちらにトラバースしよう。」 メンバーの誰もが気が付かなかった発想である。それからの行動は速く、左の尾根を下る。Fさんの言った通り 右隣に尾根を見つける。 「これこれ」と言いながら、トラバースし乗り移る。 下りながら コンパスを見ると進行方向にピタリ合っている。Fさんの深い読みに改めて感心する。
 これでツエルトにくるまってのビバークは無くなった。「ビバークになったら長門峡駅周辺まで酒を買いに行き、引返して楽しい時間を過ごそうとしたのに!」???
 急斜面に突入する
 でも易々と山は解放してくれない。特に植林地は急傾斜で足場が悪い。最後の傾斜は45度をはるかに越えていそうで真下に下れない。トラバース気味に高度を下げようとするが右に左にウロウロするばかりでラチがあかない。
 こんな時 留守宅の女房が携帯電話に「今どこあたり?」と掛けてくる。「あと30mで降り立つ」と返事すると「じゃあ もうすぐね」と切れる。 それからでも10分くらい 急斜面と格闘する。
 やっと下山目的地にたどりつき、「読図山行能力はFさん以外はまだまだ。来年以降も精進してください」と口々に言い合って、2007年最後の山行を終える。
軌跡図 提供Fさん
<文・写真 斉藤 >
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