物見ケ岳の新コース探し

2007年2月6日

斉藤 他 6名

 1月21日 長門峡道の駅に駐車させてもらい、高羽ケ岳から物見ケ岳に縦走し、橋本地区へ下山した。
この時 物見ケ岳下部のトラバース道で 新たに発生している危険箇所を通過した。
 今まで 下に沢山の樹木が有ったので怖さを感じなかったが、(台風が原因か)それらの大量の樹々が連鎖的に根こそぎ剥離・落下し、岩盤が剥き出しになっている。 傾斜が急なので落ちたらひとたまりなく数十m墜落である。
 多分 山口県で最も危険なハイキングコースになっている。
 お節介な筆者は 沢登りと藪漕ぎの仲間に声を掛け、物見ケ岳の安全な登山コースを探査した。

 8時50分 今日の予定コースを説明し 橋本の駐車地を出発。登山道はすぐに植林帯に入り、獣侵入防止の通電線を跨いで進む。右上の尾根を指し、「帰りはここに降りて来たい」と話す。全く未知で
情報も無い尾根を正確に歩けるだろうか。

今日の予定コース

 1本目の沢沿いの登山道を進むと 細い水流を渡渉し、緩やかに尾根に登る。感じの良い鞍部を越えて隣の2本目の沢に向かう。沢から高い位置をトラバースしていると最初の崩壊地がある。数年前は土砂が剥き出しで 高度感あり緊張していたが今はシダが茂り緑になっているため 目の錯覚か怖くなくなった。
 この先が問題の新危険箇所である。覗くと高度感ありおまけに足元は濡れている。安全に通過する為
8mmザイルをフイックスし、これに各人は簡易ハーネス+カラビナをセット、慎重に進む。高所恐怖症のGもどうにか通過する。

新しい危険箇所のトラバース 下は数十m絶壁

 この先「五段の滝」の標識がある。コースから外れているので下りて行かなければ見えないが 沢屋のこのメンバーは さっさと滝見物に行く。 今の時期は水量が少なく迫力が無いが 傾斜は申し分ない。
皆さんは思い思いに登攀ルートをイメージしているようだ。
(筆者は 3年前 M・Aさんに登らせてもらった)

5段の滝・水が少ない冬はショボイ

 コースに戻り この滝の上流で対岸に移る。後は緩い勾配で沢沿いに登って行く。しかし所々濡れたナメラを歩くので転倒に注意。植物にくわしいHさんによれば、珍しいものがあるそうだ。

ナメラ沿いを進む

 何度か渡渉を繰り返しながら 高度を稼ぎ 最後は 植林帯の急坂に一汗かき、高羽との縦走路に達する。物見ケ岳頂上は数分先。 2月に入って春霞の日が多く 今日も遠望がきかない。第二候補尾根を覗きこむが 藪がひどく踏み込む気がしない。

 この先の天狗岩まで行き それなりの展望を楽しむ。昼には早いが今後 食事場所がありそうもないのでここで食べる。無風で暖かく今までは平和そのもの。

天狗岩にて

 昼食を終えると シルバコンパスを623mピークにセットし 第一候補尾根に突入。この尾根なら緩やかな勾配で下る筈である。予想通りの笹藪から始まる。でも人か獣の踏み跡もかすかに残っている。

 背丈近い笹がだんだん低くなり そのうち消える。代わりに棘のある草木が多くなる。
「イタタ 痛た」と声を出しながら続く。熊除けの鈴が要らないくらいだ。 

 岩の小ピークが現れこの上に立つと 今から歩く尾根が眼下に見える。

尾根上の植生は小潅木だが まばらに生えているので その間をどんどん進める。しかし登山道としてのテープ類は一切無い。(結局下山まで全くない不思議な尾根)

歩き易い尾根 整備不要?

 少し登ったので 「623mピークだろうか」と話すと 女性軍は「地形図にあるようなはっきりした下りが無かった。それはまだ先」と指摘あり なるほどと感心する。後続でも考えて歩いているわけだ。否 先頭を信用していない?。

 かなり下り 少し登り返すとそれらしきピークに立つ。進路も北西に変わるのでコンパスをセットし直す。
 ここから順調に進み550m位に達する。尾根は広くなり地形図と見比べても現在地がはっきりしなくなる。各人がココと思っていることを述べるが一致しない。恐る恐る?前進するとまたまた判断に苦しむ場所にさしかかる。尾根がY字形に分岐し、コンパスの矢印は中間の急斜面を指している??ので進めない。

 疑心暗鬼のまま 尾根形状がはっきりしている左へ進む。下り易いのでどんどん進めるがコンパスの矢印から外れる。ついにこの尾根を断念し元へ登り直す。

 先ほどの分岐まで戻り、休憩しながら 全員で再検討する。今日はこだわりの読図山行であるので、予定コースで下りたい。木立でよく見えない地形の中で 真剣に考えていると Fが「右の尾根を進みながら左の斜面に注意していると、下に尾根が現れる筈。それがSさんこだわりの長くて緩やかな尾根でしょう。」と指摘あり。 そうだ!尾根は必ずしも常に繋がっていない。斜面の下部から派生する尾根もある。読図の原点を忘れかけている。

 急に足取りが軽くなる。Fの指摘とおり斜面の下の方に小さな尾根が見えた。駆け下りてこれに乗る。コンパスはこの尾根が続く方向を指している。 Fの経験と深い読みに感心しながら下る。
そうだ!彼は先頭を歩く力が有りながら、今日は提案者の筆者を立ててずっと後続にいる。それに比べて先頭を歩く筆者はお調子者で恥ずかしい。

 14時 ピタリ予定地点に降り立ち、本日の目的は達した。7人全員で真剣に読図し、疑問点は徹底的に話し 考えた山行の意義は大きい。

 この尾根は 藪は少なく、危険箇所もないし、あまり手を加えなくても(地元の了解を得てテープをつけた場合)良いコースになりそうだ。

帰宅後 FさんのGPSトラックで確認。Hさんのトラックも同じ。

     
 今はこの尾根にテープや印を付けていないので、トレースするには山慣れた同行者が必要であろう。
    
                    記 : 斉藤

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