比叡山岩登り体験記(比叡山・第一スラブルート)

平成18年10月23日

よく眠ったと思いふと時計を見ると、まだ夜の10時30分。
「えー、もう眠れんのに、どうするのこれから朝まで・・」
それでも無理やり目を閉じていると、何やらテントをたたく音。やっぱり。予報通り雨が降り始めた。その晩は明け方まで、振ったりやんだりを繰り返していた。こりぁ、今日は中止かな?
外が明るくなりはじめたので、テントからはい出てみると、雨は上がっていたが、雲は空を覆っていた。登る予定の比叡山の岩肌をみると、山の上の方はガスがかかっていた。
「とにかく行ってみよう」ということで、取り付きまで登る。
見ると岩はしっとり濡れている。ここのスタート地点は、日当りも少し悪いせいかコケがはえているような感触だ。三浦さんは岩を触りながら、じっと上を見上げている。
「行ってみましょう。ダメだったら下りてくるから」の一言で、三浦さんが慎重に登り始めた。
やがて上の方から「大丈夫!!」という声が聞こえた。やっぱ行くんだ。こりゃ昨日より難しいかも。
登ってみると、1ピッチ目の上の方からは岩肌も乾いていて、問題ないことがわかった。  ふぅ〜。
それにしても今日は風が強い。突風に近い風がからだを押す。ただでさえ登るのに大変なのに、風の影響も気になる。

(1ピッチを登る) (2ピッチに入る)

2ピッチ目からも厳しい登りが続く。昨日の疲れ云々なんか言ってられない。

(岩が乾いて快適です)

山本さんが昨日とおなじようにチョークで所々印をしてくれている。
雌鉾と違って草や木々も所々にある山で、少し安心感がある。横をこぶし大の石が上から乾いた音と共に落ちていく。上の様子に集中する。

(高度感が出てきました) (矢筈岳です)

今日も一人旅である。前の二人の登りを参考にしながら登っていくが、難しい箇所ではチョークの白い跡が心強い。

(快適な登りが続きます)

何ピッチ目かのテラスで横を向くと、ニードルと呼ばれている岩の姿が迫って見えた。
切り立っていて、とても人を寄せ付けるような雰囲気の岩ではない。
あんなところ登ってくるひとがいるんだぁ。スゴイなぁ。
ようやく最後の岩陰から顔を出したら、みんなの笑顔が待っていた。何とか無事に登れたぁー。
下山途中展望広場に立ち寄り、登ってきた比叡山の姿をしばし眺める。あそこをああ上がってと三浦さんの解説に耳を傾ける。

(ニードルが見えました) (登ったラインを眺める)

それにしても、今回の岩登りはラッキーだった。予想に反してこの2日間天気にも恵まれ、有意義な岩登りを体験できたことが何よりだった。
「帰りは阿蘇経由で帰りましょう」ということになり、先週登った根子岳の姿を見ながら帰途についた。
 今回雰囲気の違う2つの山に登れたことは、初心者私にとって貴重な体験となったと思っている。
 トレーニングとして登っているのと、本場で登るのとは
やはり緊張感も何もかも違うし、実戦で鍛えていくことがやはり大切なのだということを改めて感じた。

                        記・林(コンパス)

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