韓国の山旅
(阿知須HC山歩 上重一枝)
 

                       HC山歩の機関誌「みち」からの転載です。
 「韓国に連れて行ってね。」まだ米澤さんがHC山歩に在籍されていた頃に,お願いしていたことばです。あれから2年米澤さんは宇部山岳会に戻られ,韓国にも数え切れないくらい行かれ,言葉も大変上達されて,この度の私達を同行しての山旅になりました。参加者は私と伊藤幸美さん,坂野さん,三浦さんの4名です。そして,宇部山岳会からもう1名,心強い味方の竹内さん,彼は小学校の頃に北・南と住んでおられ,今なお韓国語を勉強されている方で,幸美さんと同じ年齢だそうで,とっても女性にやさしい紳士です。韓国に行った感想文をだらだら書いても面白くないので1つづつ項目をあげて書く事にします。
@ 雪岳山(ソラクサン)
 国立公園にある名山で私達が登った大青峰が最高峰で1,703mです。
 五色温泉(オセックオンチョン)よりの登頂時間4時間,下山は3時間の予定が3時間半かかりました。これは石を組んで整備された石段が登りの時は,たいへん歩きやすく感じたのですが,逆に下りでは膝にこたえ思いがけず時間をとってしまったからでした。植物は殆ど日本とかわらず,岩穴に住んでいるたくさんのリス達が休憩をとる度に餌を目的に出てきて本当に愛くるしく可愛かったです。中には皮をむいた焼き栗を与えるケシカラン日本人がいました。(誰でしょう?)また,丁度日曜日だったので登山者が多く,彼らの中にはウリやキュウリの皮をむいて,そのまま放置して行ってしまう人がいて,本当にビックリさせられました。腐って自然に戻るのでいいと思っているらしいのです。そう言えば何年か前にも智異山で同じ風景を見たことを思い出しました。言葉が話せたらちゃんと説明できるのですが残念です。
 登山の教育はまだまだですね。私は彼らの前で皮を拾って登山口まで持っておりました。順序が逆になりましたが入山料が必要でした。但し,65歳以上は無料です。料金は950ウオン,日本円で95円でした。
A 太白山1566.7m
 登り始めは沢伝いに登山道があり,冷たい風が吹いて体を冷やしてくれました。山道も広く急な所も1ヶ所位で登りやすい山です。頂上近くにはお寺があり10名位の人が宿泊していました。石造りの大きな観音様が祭られており,そこから少し登った頂上には丸く石で囲まれた拝殿所があり私達は1人1人石の上にかしこまり,最拝礼をしてお参りしました。頂上は太白山も雪岳山もガスがかかり,展望が悪く風が強く冷たくとても寒く感じました。
 両方ともふもとには白樺やダケカンバが生えていて,日本でいうと長野以北位の気候だと思いました。この頃日本では史上最高の気温になっていたそうですが,私達は釜山に戻るまで暑さ知らずに過ごせました。

B 乗り物

 
下関と釜山間に利用したフェリーは別として,主に利用したのは地下鉄,バス,汽車,タクシーです。バスには割り引きがありませんでしたが,汽車は65歳以上は割引があり,私だけ交通費が多くかかってしまいました。(出した費用は皆同じです)
 しかし,都会の出札,改札は自動でしたので,1度だけ割り引きを利用しました。(韓国の国鉄の方,ごめんなさい)初めて地下鉄に乗ったとき,若い女性がサット席を譲ってくれたのはビックリしました。「カムサハムニダ」とお礼を云うと「どういたしまして」と日本語が返ってきました。韓国は,お年寄りを本当に大切にする国です。
C 宿泊
 釜山から8時間,地下鉄・バス・タクシーと乗り継いで,やっと着いた五色温泉(オセックオンチョン)のグリンヤードホテルのフロントのお兄さんは,予約してないのはお断り,とそっけなくつっぱねました。みんな途方にくれていると,同じホテルのやさしい従業員が空いている部屋みますかと,声をかけてくれました。(ナアーンだ,空いているじゃないか)二晩で40万ウオンですと言われてビックリ。(えっ40万ウオン?)でも安心ウオンです。
 4万円です。6人で割ると一晩一人当たり3500円弱なのです。でも米澤さん達に言わせると予算以上の出費だそうです。後々ひびく事になりました。この部屋はコンドミニアムで台所つきの大きな部屋とダブルベットの寝室,それと小部屋が2つ,もちろんトイレ,風呂も2ヶ所着いており,広く開放されたガラス戸を開けるとテラスもあり,かなりゆったりとした豪華な部屋でした。
 次ぎに泊ったのは太白山民泊村です。太白駅近くにある観光案内所で予約してもらって,市内バスで行きました。この施設は,2階建ての家が20棟位あり,この内の1棟を借りて1泊しました。やはりここも台所があり1階にも2階にもトイレとシャワーがありました。おかしかったのはオンドルのスイッチを入れないと,お湯が出ない事で,仕方なく水のシャワーで我慢しました。次ぎの朝オンドルのスイッチを入れて山に登り,帰ってからお湯のシャワーを浴びる事ができました。勿論部屋もしっかり暖まっていました。ここはお昼の12時までにチェックアウトすればよかったのです。
 最後に泊ったのは,安東駅の近くのモーテル(ラブホテル)です。宇部山岳会愛用のホテルらしく迷わずに到着しました。2部屋借りて,男性は4人で,私と幸美さんとで1部屋借りて,ゆったりと使っておネンネしました。さぞかし男性は狭かったでしょう。坂野さんにおいでョと,声を掛けましたが,男は男同士がよかったようです・・・。韓国では格式のある有名ホテルに泊らない限りかなり安く泊れるのです。
D 防衛
 防衛なんて書くと大げさですが,バスからは海岸に鉄条網が張ってあるのが見えるのです。砂浜に長く長く伸びているのは風景を台なしにしてしまいますが,島国の日本と違い危険な国がすぐ隣にあるこの国の賢明な策だと思いました。
 私達が知っている牧場にある鉄条網とは違い,その先は服や皮膚を簡単に切り裂くような鋭いハガネで,できているそうです。
 日本から,かの国に連れ去られた人達のことを,思ってしまいました。
E 食べ物
 料理を頼むと一品にキムチ(ミッパチャン)が最低でも3種類出てきます。3品注文すると十種類は出ます。種類は一般的な白菜,それからニラ,じゃがいも,大根,三つ葉,トド,トラジ(あとで説明)きゅうりなど等,本当に豊かなテーブルになります。
 トラジは日本の男性の名前ではありません,桔梗の花の事です。花を食べるのではなく,根をキムチにしているのです。
 バスや汽車の窓から沢山の桔梗の花が植えてあるのが見えました。これは仏様やお墓にお供えする為と思っていましたが,キムチにするためだったのです。白花の方がおいしいそうですが,畑ではまぜこちゃにしてうえてありました。皆さんも花をめでるだけでなく,キムチにしたら!.
 注文して食べた料理はトトリのサラダ(どんぐりの粉を外郎風にして野菜とあえたもの)。参鶏湯(サムゲタン),ビビンバップ,じゃがいものチヂミ,魚のみそ汁など等です。お昼に魚のみそ汁と聞いて楽しみにしていたら,これが辛い!,汗は吹き出るし舌はヒリヒリするし3日目で辛さに根を上げてしまいました。それからはあまり辛くしないで「アンメッケー」と言って少し辛さを抑えてもらったり,中華料理を食べさせてもらいました。「贅沢だ,田舎にはない!」と言われて焼肉を食べさせて貰ったのは韓国の最後の夜になった安東でした。
 竹内さんと米澤さんが以前行ったことのあるお肉屋さんが経営している焼き肉屋さんです。本当に美味しくて人の事は考えずにパクパクと食べてしまいました。以前ここの娘さんと一緒に写った写真を持っていた竹内さんが写真を渡してあげるととても喜ばれ、ビールと西瓜がサービスになっていました。本当に律儀な人達でした。「チャルモゴッソスミダ」。(ご馳走様でした)
 また,巻寿司とうどんを朝ごはんにしたのも忘れられません。巻寿司は日本の物より一回り小さく中の具が多めに入っています。酢の味付けはなく、酢を付けて食べました。韓国では今大変ブームになっているそうです。店先で若い娘さんが山のように作っていました。うどんは日本のうどんの味付けで,両方とも日本から伝わったものです。この食事で本当に,おなかが落ち着きました。
F お酒
 ビールはハイチとカッスがあり,ハイチの方が軽い飲み口と,喉ごしのよさで人気があるそうです。それとどぶろくのドンドンチュウ!。美味しかったのは太白の食堂で飲んだ,どぶろくで,どんぶりに,並々と入ったお酒を丸い柄の短い柄杓ですくってコップに入れて飲んだ米澤さん,「今までに飲んだ中で1番美味しい!。」と大感激でした。
 旅行中ずっと飲んでいたグリーンの瓶に入ったソジュ(焼酎)も彼のお気に入りのようでした。私は母に,朝鮮人参が入っていると言う百歳酒を,買いました。
G 言葉
 韓国の文字は記号のようで分からないと言う人もいますが,あれは音を集めて文字にしたもので,一つ一つの文字には意味がありません。しかし,文法は日本語と同じで,勉強すれば読んだり話せたり出きるようになると思います。本当に近くて安く行ける外国なので,言葉が出きるようになると得だと思います。
 しかし,高速道路から見える道路標識に,せめて漢字が使ってあると,どこを走っているのか分かるのですが,あのハングル文字を一瞬のうちに読み取るのは神業です。そして今,私の頭の中は訳のわからないハングルの文字がグルグルと回っているのです。
「これはHC山歩の機関誌みちNo122に掲載されたものを筆者の了解を得たものです」 文責 米澤

7月16日(金)
   本由良15:53⇒宇部16:07⇒下関16:49
   フェリーターミナル 乗船手続き 出国手続き 出港
   乗船賃 往復\16,150 ターミナル使用料\250
     夕食 各自負担

7月17日(土)
   入国手続き釜山港 地下鉄(中央洞)⇒(老圃洞)700w
   バス 総合バスターミナル10:03⇒草束バスターミナル17:30 33,800w
   タクシー(30分)で五色温泉 22,000w バスの運転手が手配
   宿泊 五色グリンヤードホテル コンドミニアム202,800w/1泊
   夕食 豆腐,どんぐり豆腐,猪のチョンゴル,どんどん酒74,000w/6

7月18日(日)
   五色温泉登山口⇔雪岳山(大青峯)往復(7時間) 五色温泉宿泊
   宿泊 五色グリンヤードホテル コンドミニアム202,800w/1泊
   昼食 うどん4,000w,ビール等4,000w
   五色温泉入浴料 5,000w
   夕食 ,67,000w/6

7月19日(月)
   五色温泉⇒ 襄陽バスターミナル 1,530w
   襄陽バスターミナル⇒ 江陵バスターミナル4,300w
     江陵バスターミナル⇒江陵駅 タクシー3,000w/2
   江陵駅⇒太白駅3,900w×5老人 5,500w×1
     昼食 タラのメウンタン定食 25,000w/6 (ペクソルギ蒸パンを貰う)
   太白市⇒太白民泊村入口 バス1,000w
   民泊村コンドミニアム宿泊 95,000w/1泊
   夕食 45,000w/6 ビール等16,200w/6

7月20日(火)
    太白山登山 往復5時間
   太白民泊村入口⇒太白バスターミナル バス1,000w
     昼食 中華料理 八宝菜他 44,000w/6
     太白バスターミナル⇒桶里駅 タクシー6,000w/2
     桶里駅⇒安東駅 ムグンファ号 老人4,700w/5 6,700w/1
     宿 35,000w×2
   夕食 焼肉 70,000w/6

7月21日(水)
   安東バスターミナル⇒東大邱 優等バス(座席3列) 7,300w/1
   食事 うどん2,000w/1 海苔巻3本1,000w/1
     東大邱駅⇒釜山駅ムグンファ号 4,100w/1
     釜山駅⇒中央洞地下鉄700w/1 ⇒フェリーターミナル 荷物デポ5,000w
     中央洞⇒チャガルチ 地下鉄700w/1
   昼食 中華料理 焼き飯,焼餃子,蒸餃子 39,000w/6
     国際市場,農協で買い物 タクシーでターミナルへ
   出国手続き ターミナル使用料他 2,200w/1 乗船 夕食各自

7月22日(木)
    8:30下関 入国手続き

   費用 船賃込 1人\43,000でした。

                             以上


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