安蔵寺山南部周回コース(積雪期)

2005年1月27日

三浦 章、三浦 比呂子、伊藤 信夫、斉藤 宗喜

 前回(1月18〜19日)安蔵寺山山頂テント泊の下山コースに予定していた(天候不良で断念)、マニアなルートを辿ってみた。

            今回のルート図

 安蔵寺山登山口(林道入り口)8時20分〜お地蔵さん〜923m廻岩〜展望所〜安蔵寺山山頂10時
45分〜オオゼリ〜1028m昼食12時20分発〜登山口帰着13時50分

 筆者(斉藤)は風邪をひいているのに登り、後で後悔することとなった。
 林道入り口の残雪は堅くワカンは不要で、ハイスピードでお地蔵さんの鎮座する山道入り口に達する。
ここからもまだ歩き易く、ぐんぐん高度を稼ぐ。先頭を行くリーダーは昨夜遅く大山から帰ったばかりなのに、信じられないパワーだ。
 天気はまずまずで曇り勝ちながら遠望はきく。筆者を除く3人は快調に進みそのうち差が開いてきた。筆者もぐいぐい登っている筈なのに左に見える香仙原がいつまでも高い。一歩一歩が重くなってきた。今日はいつもと違う。そのうち足は止まり、生あくびを連発。周りがやたらと眩しい。ちっこい目をますます小さくする。風邪薬を飲んだ影響もあるのか・・少し進んで又 生あくびである。風邪に勝てないトシなのかボンヤリ考えていると、はるか上に3人が待っているのが見え、横になりたいのを我慢してのろのろと登りはじめる。
 相変わらず雪面はよく締まっていたが 923m廻岩(今回は左廻りを選ぶ)あたりから踏抜きが多くなってきた。三角屋根の避難小屋は前回と同じく雪に閉ざされていた。ここで全員ワカンを着ける。
 樹林帯から潅木帯の急坂をどうにか 遅れないように登るが、これも今日は長く感じる。潅木を抜け きれいな白い斜面になると、雪面がクラストしている。ワカンの爪が有り難い。展望も開け 雪の安蔵寺山登山で一番楽しいところだ。
 

この人 地元のマタギの子孫?

  振り返ると爪跡だけが残っている。しかも急斜面では自然に逆八の字になっている。待てよ 見とれている場合ではないんじゃないの!。
 2月13日 宇部山岳会主催の市民ハイキングがここである。80名の市民の方々は大半がワカン無しと聞いている。当日の雪面の状況では ラッセル隊は左寄りルートの選定とツボあしによる先行が必要だ。
  

クラストした雪面は快適だが要注意

  右側にオオクズレ谷を隔てて下山予定尾根が良く見える。ここから見る限り困難さは感じられない。
  

あの尾根を下る。奥は小五郎山

 展望所は雪ノ下、立ち止まらず まずは頂上へ。先日の幕営跡の上に新雪が積もっていた。その横に雪洞跡らしきが有った。
 昼食には早いので展望所から次へ進む。いきなりオオゼリ(伊源谷とオオクズレ谷の分水鞍部)へ下るには、急すぎるし小潅木帯ゆえの雪崩の心配がある。

展望所から狼岩へ下る

 いったん伊源谷コースよりに進み、狼岩の手前で右下へ急下降する。
    

前方に狼岩

東南面で日当たりが良いせいか雪が軟らかい。その上筆者の関節はギクシャクして動きが悪く、何分の一かはずり落ちをしながら、オオゼリに進路修正をする。小規模ながらデブリがあちこちにある。
   

オオゼリ

  オオゼリから緩やかに少し登ると1028mピークだ。何本かのまとまった赤松の傍は コシアブラの群生である。一本で軽く50人前の天婦羅が出来そうなおいしそうな木が沢山ある。ここから見る安蔵寺山は
大きい。キョロキョロしている間に三浦夫妻は手早く昼食準備。蟹と野菜一杯入りの温か雑炊である。
    

蟹雑炊

 餅も入って大満足。いつもすみません。
初めてのルートなので先を急ぐ。以外にも全体に細い尾根で両側は深く落ち込んでいる。植生はまずまずで
危険箇所は皆無である。でも遠目には分からなかったが結構な急坂の下りが何度もある。いくら物好きでも逆コースはパスである。
 ウリハダカエデ、クロモジやコシアブラが多いのでその時期は良いだろうが、ここは積雪期だけのルート。人が踏み込まないので 鳥も無警戒で 雪面の→→→→→の先には山鳥がいて至近距離に近づいてやっと飛び立つありさまである。
 

このコースからの安蔵寺山

 でかいコシアブラの幹に出会った。目の高さで直径が55cmある。「すごいよ」と他の3人に話かけようにも はるか遠く下のほう。孤独な下りはしばらく続く。
    

こんな風景の尾根下りが続く

珍しくヒノキの植林が尾根まで上がっている所を過ぎると、右のオオクズレ谷側に古い伐採用索道跡が有る。振り返ればこの尾根の殆んどは二次林(ここは天然生林として回復している)である。 昔大規模に伐採されその後 大雨の度に谷が暴れ、オオクズレ谷の名前がついたのかと勝手に解釈する。
 顕著な尾根は700m位で西と南に分かれる。下にゴギの郷の炊事棟が見える。どちらを取っても距離は変わりなさそうで、ここは南を目指す。しかし急坂となり雪も腐って保持力が無い。そこで雪の多い中間の浅い沢に進路を修正する。
 ここだって急坂で半分はずり落ち(筆者ほか)。リュージュのコースのような楽しい下り・・?
ん? ゴアテックスのカッパをはいているではないか。(カアチャン見てる筈ないが怒られそうで)急いで立ち上がる。
 そのうち雪も少なくなり笹混じりとなったのでワカンを外す。下る足元に黒いホースが見え始め、登山口上の社の水場に降り立つことを予測した。ここの柄杓でたっぷりの水を頂きこの山行を終わる。
 積雪期だけのコースだが いつの日か 七日市から入山する時、安蔵寺山の右にこの尾根を見たら今日のことを思い出すでしょう。
 それとトシをとったら「風邪をなめたらあかんぜよ」を痛感しました。この後風邪は悪化し、2日後の県岳連の冬山幕営大会をリタイア。皆さんにご迷惑をおかけしました。
 
 (記:斎藤)         

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