砥石郷山〜恐羅漢山バリエーションルート

12月15日 斉藤他2名

一般の山のガイドブックや2万5千分の1では ルートとして紹介の無い 田代からの砥石郷山東尾根を登り、下りは 古い道になり情報が少ない 牛小屋谷を使いもとの田代に帰り着く一周コースを歩いてみた。

9時30分  恐羅漢への大規模林道から 田代へ向けて下り 奥三段峡との分岐に車をとめる。(奥三段峡入り口は通行止めになっていた。)歩きながら砥石郷山東尾根の登山口を探す。
下流側へしばらく進むと、対岸へ渡る赤い橋(たしろ橋)がある。これを渡り、数十m進むと右へ分岐あり。 上に登っている。(左は牛小屋谷で 帰路はこれを辿るはずである。)
ここから標高差500mを一気に登ることになる。最初の急坂はジグザグから始まる。登山道の真ん中に熊の糞がお出迎えである。動物の毛が消化されないまま排出されている。 熊は稀に共食いをしたり、犬を食べるらしい。ウサギやタヌキは簡単だろう。
 台風の影響で木の実が少なく、小動物が犠牲になったのか。この山には肉の味を知った熊がいる。おお怖い。(恐羅漢の古屋敷の宿の親父さんはこの辺りに36頭の発信機を着けた熊がいるとのこと。匹見で月の輪熊の研究をしている米田(まいだ)氏の情報だろうか。)
そのうち直登となり 脚のふくらはぎとアキレス腱が伸びたまま登り続ける。天気が良く 葉を落とした雑木林が青空を背景にきれいに並んでいる。私の好きなコシアブラもお行儀よく並んでいる。

         砥石郷山東尾根


ペースがあがり 一気に高度を稼ぐ。木々の間からなつかしい山々が見え始める。大きな岩が数個現われ この上に上がると 展望が開ける。臥龍山や深入山が近くに親しい。
この後、傾斜がやや緩やかになる。北側は植林となり、積雪期の良い目印となる。 (この山行は積雪期縦走登山の調査でもある) 又 急坂となり、ブナの大木も現われる。道両側の笹はきれいに手入れされて明るく気持ちいい登りである。ただし雨の後の下山路は大難儀と思う。

10時50分  雑木の背が低くなると、北から東の展望が開け、すぐに砥石郷山頂(1177m)だ。南東直下の「魔の池」に水は無く、夏のような賑やかな生物の気配は感じられない。マウンテンバイクなら走れそうな快適な道をしばらく進む。右手の隣の尾根に野田原の頭、天杉山、中川山が近い。

   砥石郷山から 1166mへ向かう 


ブナやミズナラのきれいな林の中を緩やかに下り 又 登りがある。ちょとした岩の間を登ると1166mの露岩ピークに達する。ここも展望が良く、内黒山、十方山、恐羅漢山、広見山が見える。
11時20分  カラマツ林のある尾根続きの道はどんどん下り、夏焼峠へ達する。ここから約350mの登りである。覚悟を決めて、薄着になる。慌てず騒がず高度を稼いでいく。
途中、右側に背の高いブナが数本ある。ここは積雪期の牛小屋高原から従走路へのショートカットコースの目印ブナである。登山道に霜柱が残りしかも硬い。昨夜は冷えたようだ。そのうち残雪も所々見られる。

12時20分 木々が低くなると恐羅漢山頂だ。山頂標識が新しくなっていたが、主のような大木の枯れ木が倒れていた。これも台風のせいだろう。長い年月ご苦労様。
良い天気に恵まれ遠望がきく。山々は勿論、瀬戸内海と日本海まで一望である。ビール片手に至福の時を過ごす。眼下に今から下る牛小屋谷を観察する。

13時 山頂出発。立山尾根を牛小屋高原へ下る。ここのキャンプ場はシーズンオフで車道のゲートが閉まっている。中は広く設備も新しいので利用してみたい。ただキャンプ場のはずれに熊よけの電気柵が有り、さすが西中国山地と再認識する。
牛小屋谷は昔は自然観察路があったようだが 今は荒れ果てて一般向きではない。道は崩壊欠落や、木の橋は朽ちはて渡れない箇所もある。その度、ヘツリや渡渉を繰り返す。でも結構な美渓でそれも楽しい。かわいい滝やきれいな水の釜が多い。ここは断層帯であるとの説明板が残っていた。

          庭園のような牛小屋谷        同じく牛小屋谷の渓流


右岸・左岸と踏み跡を探しながら下るが、右上がヨビヤ峠と思われる辺りは古い倒木が多く判り辛いので要注意である。
ここを通過すると谷から道は離れる。すなわち高巻くわけだが谷の様子が判らなくなった。(沢登りの対象になるか下調べも兼ねるつもりだったのに)
道はどんどん良くなり、そのうち石垣で構築された敷地が沢山現われる。でも人の気配も廃屋も無い。今は植林されているがここが「田代」の集落だったと思われる。

15時10分 ジグザグに下るとここにも赤い橋があり 渡ってすぐに入山時の「たしろ橋」へ帰りついた。

適度な疲れと満足感に満たされたいいコースだった。

                                               (記:斎藤)

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