雌鉾岳(大長征バリエーション

2004年10月27日

メンバー L:三浦 章、三浦 比呂子、斉藤 宗喜、
        福永眞幸 (やまびこ)  林 裕子(そまみち)

おっかなビックリ中高年の
宮崎・雌鉾岳大スラブバリエーシヨンルートの登攀記



10月26日 14時 宇部発 メンバー5名。

 途中 延岡で食料買出しするも、今年の台風で野菜が高く、今夜の鍋には緑が少ないことを覚悟する。しかし酒類はいつもの値段で嬉しい。夜道の 鹿川へは長い。Fさん運転お疲れでした。 
 キャンプ場に着くと、車のヘッドライトに 鹿が仕方なさそうに 林に入って行く。乾いた所を探し、テント設営。すぐに飲食、就寝。
10月27日
 軽い朝食後、8時 岩場到着。取り付きから見上げると、花崗岩の大スラブが圧倒的な迫力でのしかかる。山口県では 見られない景色である。 このスラブの経験者は2名。残り1名は62歳(筆者)、2名は か弱き?女性。
 リーダーはセカンドにFとS(同時),Fに続いて女性2人(同時)のシステムを説明し、50mザイル4本セット。天気予報は晴れなのに、低い雲が多く しかも動きが異常に速い。登攀開始は8時過ぎ。出だしの選定ルートは最近拓かれた「春はあけぼの」とのこと、初めての筆者には何のことか判らない。でも1P目は、スラブの右斜上への5.3(ヨセミテ方式のデシマルグレード)で準備運動に丁度良い。しかも松の大木でビレイがとれて安心である。
 2P目(5.5)は、ホールドが細かくまごつく。でも足のフリクションがきくのでどうにかこなせる。

出だしのスラブは快調

 3P目(5.5)は やや傾斜がきつくなり長い。残りザイル長さを考えて トップのリーダーはルートをわざと外し、直上し枯れ木に到達。ここからは「美しいトラバースルート」に合流し、次は中央バンドの右端に達した。
 この間 4,5,6,7,8Pを費やしたが、ランニングビレイの間隔が広いことや 前日の雨で濡れた処もあり、緊張は続いた。この頃から 気温が急降下し皆 「寒い、寒い」を連発。
美しい!!トラバース

 9P目から「大滝左ルート」をとる。ここからが5.6以上で 今日の核心部とのこと。でもリーダーは難なく登っていく。上からの合図で 筆者が取り付くが、「無い!」何処にも「無い」ホールドもスタンスも見当たらない。若き日に北アルプスの有名ルートを難なく登ったのに!40年近い日々は、シューズやテクニックを進化させていて、より難易度の高いクライミングの時代になっていたのだ。
 昔の登り方は 登山靴のままで ホールド、スタンスのある所を選んでいた(それがかなわぬところは人工登攀もしていた)。今そんなことを言っても何の解決にもならない。この瞬間は寒さを忘れて、スラブに挑んだ。必死で凹凸をさがした。ペチャパイでいい、乳首の大きさでもいい!これも見当たらない、吸盤が欲しい、蜘蛛のように8本欲しい。手の平を壁に当てただけで シューズのフリクションだけで ほんの少しずつ高度をかせぐ。
 トップは寒いでしょうが我慢してください。
 どうにか ビレイ点まで上がるが、寒さと恐わさで 震えが止まらない。頂上の坊主岩があざ笑っているようだ。

核心部(大滝左)

 10P目は、5.7でより困難とのこと。確かに高度も傾斜もきつい。しかもルートファインデングもミスり、時間がかかった。数個のポッケットホールドが有り難たかった。
 11,12Pは一の坊主、二の坊主の付け根のトラバース。みやすいが声が届き難い。
 13P クラックを難儀な思いでよじ登ると終了。ラスト到着は、12時過ぎ。

 頂上では、やっと、結構綺麗な紅葉と一枚岩にほとばしる清流が見えました。
寒波も去り、綺麗な青空となり、気持ちに余裕が出来、満足感にひたりました。
 通常の登攀記になりませんが、昔の岩登りの知識だけで、ノッペリスラブに挑んだ 中高年の話です。


                                                            (記:斎藤)
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