矢筈川(大山)左俣  ★★

平成15年9月4日

三浦章、吉田英彰(宇部山岳会)、松尾(やまびこ)、磯田(無所属)

  矢筈川は北東から大山山系の矢筈ヶ山〜勝田ヶ山稜線に突き上げる川である。渓流釣りの人が割合入ると聞く。前夜宇部を出発し、一向平キャンプ場で仮眠。翌朝取り付きの林道まで車でアプローチ。6:10に沢にはいる。

  しばらくは平凡な河原歩きで変化がないが、樹相が美しい。時折釣り人が入るのであろう、ケルンを見る。1時間も経過した標高500m付近で二俣に分かれる。国土地理院の地図では左俣が大きく崖地の記号が記されているため、きれいなゴルジュ帯を期待して左に進む。

   確かに地図通り右岸が急傾斜の草付き、左岸が崖地になっている。だが期待していたようなゴルジュ帯では全くない。水量もさほど多くない。急流時に流されてきたのか倒木、石がゴロゴロ谷を埋めている。両岸が急傾斜地で谷が狭いため、激しい雨が短時間に降ると、逃げ場がないので危険だ。(今日は安定した天候であったので、安心である。)時折大きな落水が見られるが、崩落した崖に枝沢から水が落下しているだけだ。

「地図のギザギザマークはこれのことですかね・・・、水量も乏しいし、もうじき沢終わっちゃいますね。」
「うーむ・・・・。」

 ようやく7、8mくらいの滝が出てきた。右岸を巻く。最初に私が行ってみたが、草付きの崖地で崩れやすく悪い。交代で三浦がリードし、途中のリスにハーケンを1本打ち込む(後で磯田が回収)。さらに灌木を巻いて、1ピッチ懸垂下降で沢に降りた。上から見ると、この滝は2段になっていた。

 更に10分歩くと、どでかい滝が出てきた。これがこの沢のハイライト。幅20m以上、落差17,8mはある黒い岩の滝で、鋼鉄の要塞みたいだ。これは登りようがないので、右岸を大きく高巻いた。大滝の上部は30mの滑滝、急なので、滑ると一気に大滝の下まで落下するので、慎重に安全場所へ移動した。

 この沢の見所はここぐらいで、後は小滝を越え、多少北寄りにルートをとりながら進む。源流部のヤブこぎも15分くらいなもので大したこともなく、甲ヶ山の南側頂上直下に出ることができた。11:00、急な岩場を一気に上がってピークを踏む。アルペン的な格好いい山だ。以前から登ってみたいと考えていたので、満足だ。ここから見る矢筈〜甲ヶ山のやせ尾根は、冬期は鋭い雪稜となるのであろう。是非縦走してみたい。

 帰りは長い船上山までの稜線を進み、約2時間で駐車場まで駆け下りた。ここで親切な方の車に同乗させて頂き、取り付きまで車を回収することが出できた。大変助かった。そうでないとまた延々2時間近く車道を歩く羽目になるところであった。

 本日は、沢自体は平凡であったが、下流のブナ林の素晴らしさと、甲ヶ山直下にすっきり出られること、我々が山口から遠路はるばる遠征したことを勘案し、★★(主観的評価)。

記:吉田

F2大滝

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