山川谷(大山)沢登り 
平成15年8月16日 三浦章、村岡浩二、塚本光明(宇部山岳会)、松尾(やまびこ)

 大山の沢を続けて遡航している。何の情報もなく、すべて自分にとって未知なので、期待と不安で身が引き締まる。大山東面の加勢陀川を集中して遡行の対象としている。地獄滝谷、大休谷と登ったが、いずれも深く長い廊下と直登不可の滝、最後はブナ森の猛烈なブッシュと急傾斜の木登りで稜線によじ登り、ピークに立つパターンであった。

 今回の山川谷は加勢陀川に三本杉で注ぐ支流である。一向平の野営場の管理人の方が地元の谷に詳しく、その話の中で出たので入ることにした。遡行図はなく、滝が多いという情報が意欲をそそる。また「下手に入ると脱出できなくなる」とも聞いていた。それだけの予備知識があれば十分、ビバーグ用品といつもより多めにギアを準備しておいた。

 宇部を出発し、鳥取に入るまでは快晴であったが、大山周辺だけガスが濃く雨となる。一向平で登山届けを出し、宿泊。

 朝5時起床。下流の三本杉へ移動。山川谷川が合流する橋の手前の広場で出発準備。三本杉林道を終点まで歩き、このあたりから入ることとする。終点からは大休峠への踏み跡があるようだ??

 この踏み跡を進み、傾斜の緩い箇所を選んで谷へ降りる。あまり進むと懸垂下降しないと降りられない廊下となる。水流が多く、流れも速い。水質もよく、ブナの森で濾過された滑らかさを感じる。水温は低く、寒い。F1を直登すると地形図通り側壁が30〜50mの幅の狭い廊下が約1km続く。ここで直登不可能な滝が現れればアウトとなる。

 左岸の一条の美瀑を見て、またすぐ右岸の50mの側壁から滝が落ち込み、谷は右へ屈曲し、F2(二児滝)が出る。きれいである。直登ラインを探すが、中間でどうしてもつながらず、左岸を高巻く。その上のF3の滝上に懸垂下降するも、F4が水量が多く突破できず、懸垂下降した5m下流の側壁をロープ使用で登る。今度は弱点を見つけ、谷へ降りる。直登できる小滝を進むと長い廊下から出て、明るく開けた平凡な谷となる。

 しばらくすると小廊下となり、F7を楽しく直登すると、この谷の中でもっとも美しい飯盛滝が出る。ブナ林の中、なんと素晴らしい光景であろう。大きな円形劇場の中にいるようだ。直登は無理で、右岸を木登りで滝上へ出る。次の二俣で左へ進めば大休峠からの登山道三本杉別れに行けたであろうが、そのまま水量の多い本流へ進む。

 V字ゴルジュ、きれいな滑滝と十分に楽しめた。そして涸れ沢となった。

 登りすぎたため、1300Pへ直登したほうがよいと判断、急傾斜を250m木登りし、縦走路へ出る。あとは登山道を下り、3時間で取り付きに戻る。

 メンバーのみなさん、お疲れさまでした。

記:三浦

8月16日

5:00 一向平→5:40 三本杉→6:50 林道終点→7:10 山川谷→8:15 F2→10:20 F8→10:30 二俣→11:15 涸沢→12:20 1300P東150m→12:50 大休峠→14:10 一向平
→15:20 三本杉

写真:塚本

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