6.大山 大ノ沢〜頂上縦走〜剣谷
      平成15年2月24日
      三浦章、村上知之(宇部山岳会)、上田剛文、岩浪由(山口大山岳部)


 
 大ノ沢の左岸稜を頂上までトレースする計画でいた。自分の休みに合わせて村上に休暇をとってもらう。あとの二人のメンバーは山口大山岳部の上田と岩浪である。国道9号線はスムーズに走れ、早く到着できた。桝水高原スキー場の駐車場にテントを張って、少しだけの前夜祭をする。前2日雨天が続き、そろそろ回復してもよさそうなものだが・・・。朝の天気を見て登るルートを決めるつもりでいた。
 予定通り大ノ沢にする。大山環状道路を進み、大ノ沢の壕が二つ続く箇所まで行く。ここが取り付きの目安となる。わかんを装着する。ブナ林の中のラッセルが始まる。4人が交代で進む。
 樹林帯を抜けると左手側が一気に開けて大ノ沢が大きな姿を現す。雪面は十分にクラストしている。早めにわかんからアイゼンに装着しなおす。このまま左岸稜を直上するか、大ノ沢に入るか。
「今日これを登らない手はないぜ!」メンバーに計画変更を告げる。
 本流に入るのに小さな尾根を二つトラバースする。雪はよくしまっており、アイゼンが小気味のよい感触で音をたてる。
 本流に入ると右上部に鉛筆を立てたような黒いピナクルが見えて印象的であった。ここらあたりから直上する。学生たちもこの雪面に感動している。しばらく登ると二俣になっている。今回は傾斜のゆるそうな左俣に入る。ロープは使用しておらず、絶対にスリップしない様、確実に一歩ずつ決めて登るよう指示する。この緊張感が大事である。
 黒いピナクルが眼下となる。やがて頂上台地の木道のロープが見えてきて、快適そのものの雪面登りが終了する。とりあえず頂上に立つ。
 9合目以上はガスがかかっている。縦走路も見えない。大ノ沢を登っただけでも十分であるが、天候が回復しそうな雰囲気が漂う。「頂上縦走しよう」
 トレースはまったくない。だが雪の状態はすこぶるいい。少しずつ視界が開けてきた。ここでもロープを使うかどうかの判断に迫られたが、ロープなしで行くことに決める。
 快適な縦走路で視界もどんどんよくなる。南壁、二ノ沢が覗ける。
 剣ケ峰まで進めば縦走路は幅広くなり、安心感が出てくるが、油断はしない。槍尾根分岐を過ぎ、ユートピアへ向かう。振り返ると真っ白い天狗ケ峰、剣ケ峰がきれいである。
 ユートピアで小休止。自分としては、ここからがいやなのである。宝珠尾根までのトラバースはいつも気が重い。このころからガスが出てきて視界が悪くなってきた。勝間ケルンも見えない。トラバースを始める。 
 300mくらい進むとケルンが見えてきた。自分達より50mは上部にある。少し下りすぎた。宝珠尾根まで小さな尾根を越えていく。ここで大きな過ちをする。後でわかったが、宝珠尾根の1本東側の小尾根を宝珠尾根と勘違いしたのである。
 いつも上宝珠越から下っている沢とは何か様子が違う。なかなか左手に天狗沢が出てこない。滝の落ち口に出てしまった。左岸側にはリングボルトまである。「これは剣谷だ。」これを降りよう。この滝は阿弥陀滝である。以前登った覚えがある。懸垂で降りる。阿弥陀滝の下は狭くなり、その下流で二俣となっている。ここまでは以前積雪期に川床から来ている。今回は雪の量が多い。ゴルジュも雪で埋まっている箇所もある。阿弥陀川の下降が今回の核心である。
 雪が降り始める。大ノ沢、頂上縦走とは比較にならない雪の多さである。渡渉も何度か繰り返し、大きなデブリも見え、不気味であった。
 学生たちがかなり疲れてきたので、安定したところで行動食をとる。阿弥陀川であることは間違いないが、大休峠への標識を確認するまでは安全圏ではない。最後の渡渉をした箇所から20m先に橋を見つけ、やっと川床にたどり着く。ユートピアから2時間40分で剣谷を下ったことになる。積雪期の剣谷を登ってみたいと思っていたが、今回であまりモチベーションのあがるルートではないことがわかった。
 今冬9度大山に通ったが、常に天気はよくない。今回は大ノ沢と剣谷ができてそれなりの成果があった。大山周辺にはまだ面白そうなラインがある。
 大山寺に到着し、村上が車を回収しに桝水まで歩く。後の3人はその場で待つ。
 宝珠尾根を間違える失敗をし、核心を抜けた後の油断は大きな教訓を残した。
 以上    記:三浦


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