25.白滝山西壁
平成14年10月16日 
三浦章、吉田英彰

  白滝山は山口県美和町に位置し、すぐ横の弥栄峡を越えれば広島県大竹市である。低い山だが、きれいな多くの白い巨岩が遠望でき、山口県の名山である。

 登山口の岸根集会所から白滝山の西壁がよく見え、すっきりとしたスラブであり、何故今まであまり注目されなかったのだろう、という感じである。ここは以前多少登られていた様だが、広島県の多賀谷さんによって最近新しくルート開拓され、本年の岳人に「山岳猟兵」と「エーデルワイス」が発表されている。まずは「エーデルワイス」を行ってみよう!

 8時40分に岸根集会所を出発、しばらく明瞭な登山道を歩く。30分もすると稜線に出たが、壁へのアプローチ口が分からない。頂上目前になり、「こりゃ、行き過ぎた」と、少し後戻りし、適当に薮こぎして西へ西へと進む。6月に三浦は「山岳猟兵」をやまびこの松尾と登っているのだが、「エーデルワイス」との位置の相関関係が分からず、しばらくうろうろする。どんどん西壁の奥の方に進むと、古いボルトを発見。ホールドに乏しい傾斜のきつい壁で、ピンが連打されているため、人工の練習を昔していたのだろう。それにしても少し打ちすぎのような気がするが・・・。 更に進むが、もうルート開拓された形跡が無い。また後戻りして、まずは「山岳猟兵」から登るか、という事になる。登っているうちに「エーデルワイス」も分かるかもしれない・・・。

○「山岳猟兵」 10時過ぎに取り付く。最初のピッチはなかなか面白い。ただ所々薮と泥を踏むので、フラットソールが濡れてくる。また上部は岩に水が染みだし、苔がついているので、やや状態が悪かった。岩質自体はフリクションもよく効いて良好である。 
 2ピッチも薮っぽいところから取り付いて、藪のバンドに抜ける。あまり印象に残っていないが、意外と出だしが難しかったように思う。大きな山ではないので、ピッチ間は薮をつないでいくしかない。

 最後の2ピッチはすっきりとしており、高度感や展望もよく、なかなかよい。ただ、上部最後は傾斜がガクッと落ちるので、やや残念。なお、岳人のルート図では3ピッチなっているが、我々は適当な藪で切って4ピッチで登った(と思う・・・、記憶が曖昧。)。

○「エーデルワイス」???
 「山岳猟兵」3ピッチ目の右寄りのスラブにボルトが打ってあり、すっきりとしたラインがあるのを発見。山岳猟兵終了点から2ピッチほど懸垂で下りて取り付いて見る事にする。このルートは右と左にラインが分かれている。まずは右側から取り付く。
 なかなか微妙な登りを要求されて面白い。岩もここはブッシュが無く、すっきりしている。難易度的(W〜X)にもこれは「エーデルワイス」の3ピッチめではないのかな?
 左のルートは更に厳しい。ホールドが乏しく、傾斜もきつい。私もフリーで登ると、ズルッといきそうなので、核心はA0で登った。
 13:30に終了。帰りはもうひたすら東側の稜線目指して薮こぎを行う。ところどころ野薔薇で傷だらけになり、稜線に出た時はやれやれ、という気分だった。
 登山口に降りてきて西壁を見上げる。今回のルートは西壁の右寄りであり、途中に藪のバンドが横たわっている。壁の中央はすっきりとした大スラブで、恐らくまだ手つかず状態だろう。ただ難易度はかなり難しいかも・・・。もしこの中央壁にルートが開拓されると、俄然白滝山は注目を浴びるかもしれない。

 なにせ壁の取り付きまでひどい薮なので、多賀谷さんは大変ご苦労されたと思います。面白い可能性のある壁だと思います。

記:吉田

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送