21.秋山クライミング合宿(播州雪彦山)

平成14年11月3〜4日

 
三浦章、吉田(宇部山岳会)、門田(やまびこ)

 
雪彦山は姫路の北、兵庫県夢前町に位置する森林と岩峰に包まれた播州の名峰である。RCCの藤木九三らによって開拓され、30年代には南米パタゴニア探検隊の訓練基地になるなど、古くからクライマーに親しまれてきた岩場である。
 
ルートは主に三峰岳、不行岳、地蔵岳に開かれており、人工とフリーのミックスルートが殆どである。

11月3日

○三峰中央壁ルート(取り付きは前傾壁左より)  W+A1

 前日の18時半にセミナーパークに集合。当初6人の予定が結局3人となる。山陽道、播但道を通り0時頃麓のキャンプ地に到着し幕営。
 
翌朝三峰の取り付きに向かうが、沢を渡るので少し分かりにくい。この日はとても寒い。既に数パーティー準備に取りかかっている。通常このルートはA2前傾壁をスタートとするが、広島からの3人パーティーがそこからスタートするので、我々は左の「友人登路」寄りから取り付く。1ピッチ目は人工で三浦がリード。圧倒的なスピードに驚く。三浦はあぶみの先にフィフィを付けているので、上に行けば自然にはずれて回収できるシステム。私は人工にあまり慣れていないので、いい勉強になった。2ピッチ目から広島パーティーと同じルートになるので、混まないように先行してもらう。
 ビレイの間、風が冷たい。修験者の山なのだろう、ホラ貝の音が遠く響き渡り、幻想的な雰囲気である。

 
 中央壁中間から上部は基本的にはフリーだが、一部傾斜があってA0で登る。三浦はここへ来る前に「難易度はそれほどでもないよ」といっていたが、自分には意外といやらしく、高度感を感じた。多分自分がミックスルートにあまり慣れてないせいだろう。
   
藪を抜けて三峰の頂上に立つ。下を見ると所々紅葉が美しい。混んだので、多少時間がかかった。

 

○不行岳北東壁正面ルート    W+A0

 

 三峰頂上から1ピッチ懸垂下降、不行岳とのコルに出る。広島パーティーが先行して、ある程度抜けたところから我々が登り始める。取り付きの出だしはカンテをつかんで、微妙なバランスで登る。寒さで角張った岩を握る手が痛い。ここが核心か。7,8mぐらい登ると傾斜が緩くなってきたので、さて安心かな、と思ったが、以降もA0の登攀で意外と時間がかかった。三浦は2ピッチ分一気にリードしたので、距離が長い。高度感もあり緊張する。久々に「本番岩登り」を体験した。
 最初のピッチ終了間際、スタンスに足を置いた瞬間剥離し、門田の手を擦りむいてしまい、恐縮してしまう。以降のピッチはピンが少ないもの

の、VWの難易度であり、難しくない。
 不行岳の頂上からやせ尾根を辿って1ピッチほど登ると最高峰、大天井岳の頂上となる。頂上には白装束の修験者がいた。高齢の男性登山者が途中具合が悪くなったようで、仲間に介抱されながら横たわっている。我々が下山中、救助用のヘリコプターが旋回していたが、無事収容できたのだろうか。途中に展望の良いところがあり、地蔵岳登攀中のパーティーを見学。
 スーパーで酒と食料を調達。キャンプ場より上部の広場に幕営。焼酎を飲みながら、とりとめのない話題で盛り上がった。
1日目:記 吉田


11月4日

○地蔵岳正面壁 紅葉会ルート    WA1

 

 吉田が風邪で登らないというので、門田と二人で「紅葉会ルート」をつるべで登ることにする。
 取り付きまで苦労する。地蔵沢側に入るがどうもおかしい。仕方なくそのまま一般道へ登り、展望台から一度懸垂して地蔵沢に降りて、取り付きまで木登りを交えて登り、やっとたどり着く。大曲より1.3Hもかかってしまった。
 
じゃんけんして勝った方が先にリードすることにして、自分が1P目をリードする。左上して少しかぶり気味の逆層を登る。少しもろそうな岩もあるが、まずまず快適である。
 
2ピッチ目、1本目のボルトが少し遠いが、その後からは割合と近い。門田はA1で登り、フォローはA0で登る。
 
3ピッチ目、うすい凹角に入る。雪がちらつきはじめ、みるみるうちに吹雪状態になる。A1で登るが、指がかじかんで冷たい。冬の気分になってきた・・・・。雪は降り止まない。
 
4ピッチ目、門田のリードに入った頃から小振りになった。フォローは手袋をしたまま登る。寒々とした登攀だった。今回はこれで終了。
 
帰路は中国道で帰る。中国山地の山々は真っ白に雪をかぶっていた。

 

2日目:記 三浦


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